「体の状態に非常に繊細。そういうセンサーがすごい」長谷部誠支えたトレーナーが驚く自己管理能力

AI要約

長谷部誠は、ドイツ・ブンデスリーガで40歳までプレーし、その成功の秘訣を日本人トレーナーが語る。

長谷部の自己管理能力や人望、インテリジェンスにより長きにわたりプレーし続けた。

長谷部はまだトレーニングもでき、次年度も戦える可能性があると考えられている。

「体の状態に非常に繊細。そういうセンサーがすごい」長谷部誠支えたトレーナーが驚く自己管理能力

 長谷部誠は、世界最高峰の強度を誇るドイツ・ブンデスリーガで40歳までプレーした。レジェンドになった秘訣(ひけつ)とは何か。14―15年シーズンからフランクフルトに所属し、長谷部を支えてきた日本人トレーナーの黒川孝一氏(42)に理由を聞いた。

 引退を寂しく思いますが、決断を聞いてから、最後まで今まで通りできるように支えたいという気持ちでした。僕が管理する必要がないぐらい、自分で自分を管理できる選手です。体の状態に非常に繊細。そういうセンサーがすごいので、どこを(マッサージなどで)触ってほしい、などという要求も的確でした。だからこそけがも少なく、ここまでやれたと思います。

 (フランクフルトでは)スタッフからの人望もすごく高い。さらっとした気配り、目配り、ここぞという時の心配りがある。クリスマスなどにはスタッフに、「いつもありがとう」とユニホーム、食事券などのプレゼントをくれることもありました。

 目の肥えたドイツ人が評価するのは、やはりインテリジェンス。決して体は大きいわけではないですが、体の使い方、当て方がうまい。一昨年ぐらいの練習で、長谷部選手が若く(自分より)体の大きな選手を、競り合いでふっ飛ばしたことありました。単純に筋力を高めるだけではなく、今ある体の状態で、できることにフルに思考を使ってやってるんだと思います。

 正直、まだまだトレーニングもできるし、(来年も)十分戦えるプレーヤーとしてやれると認識しています。彼は大きなけがで引退するわけじゃない。そこは、僕がうれしくもあるところです。トレーナーとしてもたくさん学ばせていただいたし、共にいろいろな景色を見させていただきました。感謝しかありません。(談)

 ◆長谷部 誠(はせべ・まこと)1984年1月18日、静岡・藤枝市生まれ。40歳。2002年に藤枝東高から浦和へ加入。08年1月にドイツ1部ウォルフスブルクに移籍し、ニュルンベルクを経て14年にフランクフルトへ。ブンデスリーガ通算384試合(7得点)出場は、ドイツ以外の外国人選手としては、ポーランド代表FWレバンドフスキと並び歴代2位の記録。日本代表は06年にデビューし、W杯は10年南ア、14年ブラジル、18年ロシア大会に主将として出場。代表通算114試合2得点。180センチ、72キロ。利き足は右。家族は妻でモデルの佐藤ありさと2子。