大の里、新入幕から3場所連続2桁白星「ないものと思っている」V無欲強調 大関昇進目安33勝

AI要約

新三役の小結大の里が新入幕から3場所連続の2桁白星を達成し、初優勝を目指す姿勢を示した。

大の里は自身の実力に自信を持ちながらも、優勝への欲求を抑え、大関昇進目安を意識している。

若手の活躍が際立つ場所となり、大関昇進や初優勝への期待が高まっている。

<大相撲夏場所>◇13日目◇24日◇東京・両国国技館

 新三役の小結大の里(23=二所ノ関)が、1場所15日制が定着した49年夏場所以降では2人目となる、新入幕から3場所連続の2桁白星を達成した。くせ者の前頭宇良を一方的に押し出し。10勝3敗で、大関琴桜と並ぶトップを守った。新入幕から3場所連続2桁白星は、前頭阿武咲が17年に達成して以来。三役で3場所33勝という、大関昇進目安の起点もつくった勢いに乗り、初優勝を目指す。

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 根こそぎ持っていった。大の里の立ち合いはもろ手突き。宇良に下に潜り込まれ、クリーンヒットはしなかった。それでも突進はやめない。右腕をたたみ、かち上げのように相手の上体を起こすと、強烈な左の押しで土俵下まで吹っ飛ばした。2日を残して新入幕から3場所連続の2桁白星到達。初代若ノ花(後の若乃花)、白鵬という後の横綱も達成できなかった記録をつくっても「まだ場所は終わっていない。一番一番取り切る」と淡々と話した。

 トップの3敗は取組前の4人から自身と琴桜の2人に減った。それでも優勝は「ないものと思っている」と、自らに言い聞かせるように無欲を強調した。大関とりの起点をつくったことにも「まだまだ」と話すにとどめた。ただ今場所中に1度だけ「三役は数字も大事。先に見えるものが三役にはある。それが三役の権利」と力説。直接的に「大関」という言葉こそ使わなかったが「三役で3場所33勝」という大関昇進目安を意識した発言をしていた。

 阿武咲に次ぐ2人目の記録を、2日間残して達成した。まだ初土俵から7場所目だが実力は十分に大関級。残り2日へ「来場所につながる相撲を取れれば」と繰り返した。大関昇進には、ここからの上積みが大事と分かっている。その先に、初優勝があることも知っている。【高田文太】