「怒っても魚は釣れない」 釣りから得た藤田さいきのアンガーマネジメント

AI要約

初日のミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープンで藤田さいきが雨中のプレーで好調をキープ。ゴルフと釣りの共通点を見出し、穏やかな心で臨む姿勢が勝利につながる。

前半で圧倒的なプレーを見せるも後半はスローダウン。最終日は2打差で悪天候の中でのプレーが求められる状況に。

ゴルフと釣りの経験が藤田に対する忍耐力を養い、ストレスを受けない考え方に変化をもたらしている。

「怒っても魚は釣れない」 釣りから得た藤田さいきのアンガーマネジメント

◇国内女子◇ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープン 初日(20日)◇利府GC (宮城)◇6638yd(パー72)◇雨(観衆2666人)

雷雲の接近によりスタートが遅れた初日。雨の中でのプレーも、藤田さいきは出だしから2連続バーディを奪ったほか、8番(パー5)で手前のガードバンカーからイーグル奪うなど前半を「30」でプレーした。「今まで『31』がハーフベストだったはず。『30』は出したことがない」と喜びいっぱいに振り返った。

雨中のゴルフは、濡れた芝や雫がついたクラブにより、イメージ通りの球筋にならないこともある。「ミスしてもしょうがないなって。自分の中で許容範囲が広がっていて、全然イライラしないです」。穏やかな心で臨み、スコアを伸ばすのではなく落とさないように心がける。そんな心持ちで「ガマンすれば勝手に上に上がっていく」のが、38歳のスコアメーク術だ。

積み上げてきた経験値とともに、そんなガマン強さが身に付いた理由には、2020年のコロナ禍を機に始めた釣りにあるのかもしれない。

「ゴルフしかしていなかったから、試合がなくなって何もすることがなくて。家の目の前が海で、主人が釣りをしていたのもあって始めてみた」。最初のころは釣れない時間にいら立ちがあっても、いざ釣れてみると「食べられる魚が多くて。めちゃくちゃ面白い」とドはまりしていった。

ゴルフと同じく、雨が降っていても釣りに出掛ける。「ゴルフよりもよっぽど耐える時間は長いかも。釣れないと飽きるし、イライラするけど、それが魚にも伝わる。イライラしないようにしようって。だからなのかな。ゴルフも(次のショットを打つまでの)待っている間はそんなに(深く)考えないようになりました」と思考が変わった。

前半で勢いのあった分「やり切った」と、後半は1バーディ、2ボギーの「37」とスローダウンしたが、首位に2打差の5アンダー「67」。悪天候により競技は36ホールに短縮されたため、2022年「大王製紙エリエールレディス」以来の7勝目は最終日の結果次第となる。あすの天気予報にも雨マークがつく。「とにかくケガをしたくない」と無事に終わることだけを願いつつ、忍耐が求められる過酷なコンディションは藤田にとってプラスに働くかもしれない。

「怒っても魚は釣れない」。ゴルフと釣りは親和性がありそうだ。(宮城県利府町/石井操)