パリ五輪やり投げ「金」北口榛花、凱旋帰国 〝原点回帰〟で夢の70メートルだ/陸上

AI要約

陸上の女子やり投げでパリ五輪金メダルの北口榛花(26)=JAL=が16日、羽田空港に凱旋帰国。

涙の金メダル獲得から36日を経て、セカンドキャリアの始まりを予感させる

北口は目標をアジア記録更新に設定し、来年の世界選手権に向けて再出発

トレーニングメニューに水泳やバドミントンを導入し、記録更新に挑戦予定

充電期間に入る北口は、アジア記録更新を目指して磨きをかける意気込み

サプライズのサポート契約でハイチュウを手に笑顔を見せる

パリ五輪やり投げ「金」北口榛花、凱旋帰国 〝原点回帰〟で夢の70メートルだ/陸上

陸上の女子やり投げでパリ五輪金メダルの北口榛花(26)=JAL=が16日、今季の試合出場を全て終え、羽田空港に凱旋(がいせん)帰国した。世界最高峰のダイヤモンドリーグファイナルで連覇も達成した世界女王は、目下の目標にアジア記録(67メートル98)の更新を設定。来年9月に東京・国立競技場で開催される世界選手権が控える中で、〝原点回帰〟をテーマに再出発する。

涙の金メダル獲得から36日。北口が日本に帰ってきた。所属先の日本航空社員やファンの温かい拍手で迎えられ、充実感を漂わせた。

「悩み続けて、もがき続けたシーズンでした。今は、無事に終えられた達成感がある」

パリ五輪決勝では、1投目に65メートル80を投げ、マラソン以外の陸上種目で日本女子初の金メダル。世界最高峰のDLファイナルは、6投目に今季ベストの66メートル13を出して逆転し、2連覇を達成した。歴史を塗り替えた1年を、「始めはあまり調子がよくなかった中で、重要な試合で勝ちきれたのは大きなこと」と振り返った。

来年9月には、東京で世界選手権が開催される。大会連覇に向けた今冬のテーマは「原点回帰」だ。幼少期に取り組んだ水泳やバドミントンを「何らかの形で結び付けられたら」と、再びトレーニングメニューとして導入する構想を明かした。一昨年は山登りをするなど、さまざまな動きを練習に取り入れてきた北口。体をしなやかに使う投てきに磨きをかけ、記録の更新を目指す。

しばらくは「充電期間に入りたい」という北口。日本記録の67メートル38が自己ベストの26歳が来季に狙うのは、呂会会(中国)が2019年にマークしたアジア記録の67メートル98。「完璧な状態で、きれいに投げられれば出る。70メートルも夢で見られるようになってきた。前よりは近づいたんじゃないかな」。世界女王が描く夢は、まだまだ終わらない。(高橋朝香)

■やりより重い 北口は帰国会見の前にサポート契約を結ぶ森永製菓から、サプライズでやりを模したハイチュウや、同社のお菓子が詰まった透明のリュックなどを贈呈された。スイーツ好きの26歳は〝お菓子のやり〟を手に、「やりより重いです」とにっこり。報道陣には、北口からハイチュウのおすそ分けもあった。