井上尚弥戦以来復帰のフルトン、辛勝で大ブーイングに「黙ってろ」ダウン喫して僅差判定

AI要約

元WBC、WBO世界スーパーバンタム級王者のスティーブン・フルトンが約1年2カ月ぶりの再起戦で苦しみながらも勝利。

5回にダウンを喫したが、2-1の僅差判定勝利を収めた。

フルトンは今後の世界挑戦に向けて慎重な姿勢を見せている。

井上尚弥戦以来復帰のフルトン、辛勝で大ブーイングに「黙ってろ」ダウン喫して僅差判定

<プロボクシング:フェザー級10回戦>◇14日(日本時間15日)◇米ネバダ州ラスベガス・T-モバイル・アリーナ

 元WBC、WBO世界スーパーバンタム級王者で現WBA世界フェザー級2位のスティーブン・フルトン(30=米国)が約1年2カ月ぶりの再起戦で苦しみながら勝利した。

 WBA世界同級5位カルロス・カストロ(30=米国)とのフェザー級10回戦に臨み、5回にダウンを喫しながらも2-1(94-95、96-93、95-94)の僅差判定勝利。昨年7月、井上尚弥(31=大橋)に8回TKO負けを喫して以来のリングで何とか勝利をもぎ取った。

 序盤からカストロの左ジャブに対応できなかったフルトンはガードをかためて打ち合いに入った。しかし5回に右ストレートを顔面に浴びてダウンを喫した。終盤に入ってもカストロの手数と勢いが止まらず、ロープを背負う場面が多くなった。1階級上でのフィジカル差なのか、カストロの力強さに押される場面も。最終10回に左フックでカストロの動きを止めるシーンも演出。ギリギリで世界ランカー対決で敗れた。

 フルトンは「タフなラウンドの連続だった。ダウン? コーチに右を気を付けろと言われていたが警戒を怠ってしまった。カストロは本当に良い選手だった」と振り返った。ギリギリの勝利に、会場から大きなブーイングが起こった。するとフルトンは「ブーイングしているヤツは黙ってろと言いたい」とぶぜんとした表情。「フェザー級でいける手応えはある。勝ててほっとした。オレはカムバックしたんだ」と強気の姿勢を貫いていた。

 戦前、フルトン陣営はカストロとの世界ランカー対決を制し、10月5日、英リバプールで予定されるWBA世界同級王者ニック・ポール(27=英国)-同級12位ロリー・リオス(34=米国)の勝者に挑むつもりだったが、この再起戦の辛勝ですぐに世界挑戦できるかどうかは不透明だ。