「死ね」「2軍行け」山崎康晃が激白した誹謗中傷 積極発信の裏で戦う“現実”「悔しい」

AI要約

プロ野球選手の山崎康晃投手がSNS上の誹謗中傷に苦しむ姿を明かし、対策チームの立ち上げや注意喚起について述べた。

山崎投手はSNSでの誹謗中傷について悲痛な胸の内を語り、選手としても人間としても尊重されるべきだと訴えた。

プロ10年目で苦しい時期を経験する山崎投手だが、ファンサービスを大切にし、前向きに対策を考えている姿勢を見せている。

「死ね」「2軍行け」山崎康晃が激白した誹謗中傷 積極発信の裏で戦う“現実”「悔しい」

 社会問題ともなっているSNS上の誹謗中傷について、日本プロ野球選手会は対策チームを立ち上げ対応に乗り出し、各球団は注意喚起を行うなど動いている。DeNAの山崎康晃投手も、多くの心ない声に胸を痛めている一人。X(旧ツイッター)のフォロワー78.5万人を誇り、ファンのために多くの発信を行う一方で届く誹謗中傷。胸の内を聞いた。

「『死ね」とか『2軍に行け』とか、心に傷がつくような言葉がきます。母のことを言われたこともあって、それは許せないと思いました。『打たれる原因は太ったからだ』とかDM(ダイレクトメッセージ)やリプライが届くこともありました。改めて思うのは、100個の誉め言葉より、1個の悪口の方が心に残るんですよね。我々も同じ人間。公人だから何を言ってもいいというのはないと思うので……」

 プロ入りした2015年1月にツイッターを開設。当時はまだアカウントを持つプロ野球選手は多くなかったが、山崎は積極的にオフの姿を公開するなど話題を呼び、フォロワーはどんどん増えていった。「入ったときから(誹謗中傷は)ありました。成績がよければ叩かれないですけど、そういう雰囲気(不調)が出たときは多くなります」と明かしたように、以前からないわけではなかった。

 SNSの普及により、誹謗中傷は加速した。今やプロ野球界だけにとどまらず社会的な問題となっているが、“対策”も進んできたそうで「やむを得ず目に入ってしまうもの以外、目に留めないようにしています。今はSNSでもいろいろなフィルターがかかって操作できる。そこは僕自身、これからの課題でもあるかなと思っています」と“付き合い方”も口にする。

 プロ10年目。1年目から37セーブを挙げて新人王に輝き、絶対的守護神として侍ジャパンの常連にもなった。しかし2020年は40試合で防御率5.68、昨季は49試合で4.37。結果が出ない時期もあり、抑えの座も明け渡した。「10年やっていろいろな言葉がありましたけど、心が苦しいときにそういうことを言われると考えてしまうこともありました」。ファンの喜ぶ顔を想像して発信しても、一部から受ける“現実”に「バランスが難しいです」と表情を曇らせた。

 顔が見えない相手との“戦い”。「僕らは相手も知らないですから。悔しいですよね」というのが本音だろう。すぐに根絶することは難しいかもしれないが「昔は野球選手に声なんて届かなかったわけで、昔の野球界とは変わってきている。これからの選手のためを考えたら、選手会と一緒に戦っていったり、NPBと一緒に戦っていったり、僕一人では戦えないので、全体でそういう悪い風潮をなくしていけたらとも思います」と語気を強めた。

 常日頃からファンサービスを大切にする山崎は言った。

「ネットの中で戦う人よりも、僕がマウンドに行ったときにヤスアキジャンプをしてくれる、現実に応援してくれる人の方が多いのかなと僕は信じています」