アスコリピチェーノうっぷん晴らした2歳女王 初の海外遠征へルメールもお墨付き/京成杯AH

AI要約

昨年の2歳女王アスコリピチェーノが単勝1・5倍の断然人気に応えて完勝し、3歳牝馬による制覇は39年ぶりの快挙となった。

アスコリピチェーノは春の2戦G1・2着からの巻き返しを果たし、次走にはオーストラリアの高額賞金競走ゴールデンイーグルが選択肢に入った。

アスコリピチェーノは瞬発力を武器に、海外への挑戦を見据えており、次なる舞台に期待が集まる。

アスコリピチェーノうっぷん晴らした2歳女王 初の海外遠征へルメールもお墨付き/京成杯AH

<京成杯AH>◇8日=中山◇G3◇芝1600メートル◇3歳上◇出走16頭◇サマーマイルシリーズ最終戦

 昨年の2歳女王アスコリピチェーノ(牝3、黒岩)が単勝1・5倍の断然人気に応えて完勝した。勝ちタイムは1分30秒8。

 3歳牝馬による制覇は85年エルプス以来、実に39年ぶりの快挙。次走にはオーストラリアの高額賞金競走ゴールデンイーグル(芝1500メートル、11月2日=ローズヒルガーデンズ)が選択肢に入った。この日見せた瞬発力を武器に世界にはばたく。

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 春2戦G1・2着続きの鬱憤(うっぷん)を晴らすかのように、アスコリピチェーノが並ぶ間もなく一瞬にして突き抜けた。体を大きく使った美しく伸びやかなフットワークが、きれいに生えそろった緑のターフによく映えた。ルメール騎手は「いいペースで冷静に走ってくれたし、一番強い馬だと思って安全策で外へ出して、いつも通りにいい脚を使ってくれました」と会心の勝利を喜んだ。

 昨年の無敗2歳女王も春は悔しい思いをした。桜花賞、NHKマイルCで連続2着。地力は示しながらも勝ち切れない競馬が続いた。巻き返しの秋へ、中間は加減することなく1週前、当週としっかりと攻めの調教を貫き、万全の態勢を整えてきた。黒岩師は「まずは結果を出せて良かったです」と安堵(あんど)し、「実質のトップハンデ、高速馬場、古馬との力関係など3歳牝馬にとって難しいことがたくさんある中いいパフォーマンスで走り切ったと思う」とねぎらった。

 古馬の重賞級を蹴散らし、次走に見据えるのは1着賞金5億円超えとなるオーストラリアの高額賞金競走ゴールデンイーグル。実現すれば同馬にとって初めての海外遠征となる。「今回難しい状況の中で勝ってくれたし、これ以降は明るい方にいくと思う」と師も手応えをつかんでいた。「すごくいい瞬発力がある馬。トップレベルのマイルG1を勝てる」とルメール騎手からのお墨付きもあった。秋の中山で見せた極上の瞬発力を今度は世界に示す。【井上力心】

 ◆アスコリピチェーノ▽父 ダイワメジャー▽母 アスコルティ(デインヒルダンサー)▽牝3▽馬主 (有)サンデーレーシング▽調教師 黒岩陽一(美浦)▽生産者 ノーザンファーム(北海道安平町)▽戦績 6戦4勝▽総獲得賞金 2億6321万5000円▽主な勝ち鞍 23年新潟2歳S(G3)阪神JF(G1)▽馬名の由来 イタリアの都市名