【阪神】佐藤輝明「出発点」神宮で2戦連発「独り負け」回避「ええポイントで打ってる」岡田監督

AI要約

阪神がヤクルトを6-0で破り、5連勝を達成。佐藤輝明選手が2戦連続の活躍でチームを牽引し、森下や大山も打点を重ねる。

佐藤輝明選手は初回の2ランホームランで4点を追加し、チームの勝利に貢献。5番打者としての存在感を示す。

阪神は首位との差を縮めるべく、勝利を続ける姿勢を見せており、打線の連携も良好な状態だ。

【阪神】佐藤輝明「出発点」神宮で2戦連発「独り負け」回避「ええポイントで打ってる」岡田監督

<ヤクルト0-6阪神>◇7日◇神宮

 逆転Vへ虎の勢いが止まらない。阪神5番の佐藤輝明内野手(25)が2戦連発で怒濤(どとう)の5連勝を導いた。初回に3番森下の先制打、4番大山の適時打に続いて左中間へ13号2ラン。一挙4点の猛攻を仕上げた。森下は4戦連続打点で9回に14号2ランを放った大山は6年連続60打点に到達。全6得点を3人で稼ぎ、今季の打点そろい踏みは12戦全勝だ。巨人と広島の上位が勝ち、首位との2・5差は変わらなかったが残り17試合、虎が負けじと食らいつく。

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 止まらない。また佐藤輝だ。表情一つ変えず、大股で走る姿に貫禄が漂った。初回、2点を先制したあとの1死一塁。2球目、左腕高橋の甘いスライダーに強くバットを出した。

 「もっと追加点を、という気持ちでした。打席に入る前から準備して、初球のファウルから、いいスイングができていた。いい感触でした」

 打球は左中間最深部にぐんぐん伸び、軽々とフェンスオーバー。13号の2ラン。前日6日の満塁弾に続いて、左翼席の阪神ファンにアーチを届けた。

 5連勝に導く一振り。「独り負け」するわけにいかなかった。デーゲームで首位巨人、2位広島がともに接戦を勝った。それぞれ2・5差、1・5差で食らいつき、不気味に迫る4位DeNAとは3ゲーム差に広げた。大きな白星だ。

 岡田監督も連日の豪弾に敬礼するしかない。「あそこで2点で終わるのとな。2ランは大きいよな。風もええかも分からんけど、何かよくボール飛ぶよ。振れてるのもあるかも分からんけど。ちゃんと、ええポイントで打ってるから飛ぶというのもあるしな」と調子の良さにも言及した。

 森下、大山、佐藤輝がそろって打点を挙げれた試合はこれで12連勝となった。5番の佐藤輝が打線の破壊力を倍増させている。

 神宮に強い。今季10試合で、甲子園を含むセ本拠地で最多の5本塁打。打点は14、打率3割5分1厘。実は神宮は現在につながる出発点となった地だ。

 6年前の近大2年秋、明治神宮大会に出場した。当時の田中秀昌監督は自慢の大器を全国に売りだそうと考えを巡らせた。ちょうど原辰徳氏の巨人監督復帰が決まったタイミング。ピンと来た。原監督の代名詞、背番号8をほかの選手から替えてまで、つけさせ「4番三塁」で起用。2年生スラッガーは期待に応えて本塁打を放つなど活躍。近大に佐藤あり、を印象づける大会になった。

 2打点上積みで今季63打点。巨人岡本和まで5差の5位に浮上した。「トップ争いできるくらい、もっともっと打点を稼ぎたい」。勝ち続けるしかない状況は続く。背番号8が猛威をふるう限り、阪神の望みはつながっていく。【柏原誠】