【新日本】エル・デスペラード、初舞台へ心境語る「業界を全部ひっかきまわしたい」

　9月11日に開幕する『戦隊大失格』ザ・ショーに出演する新日本プロレスのエル・デスペラードが、都内の稽古場で初舞台に臨む直前の心境、意気込みを語った。

　『戦隊大失格』（原作／春場ねぎ）は2021年から『週刊少年マガジン』（講談社）で連載中の異色のヒーローバトル漫画。今春にはアニメも放送された話題作が“ザ・ショー”として舞台化される。

　毎週末に地上侵攻を繰り返して敗れ去る怪人の“下っ端”戦闘員Dと、ヒーロー像とはかけ離れた竜神戦隊ドラゴンキーパーとの対決を描く本作内で、デスペラードは「戦闘員F」役として出演する。

　－オファーを受けた心境は

　「作品名は知ってましたけど失礼ながら読んだことはなくて、まずアニメを見て『ああなるほどこの人か』というのがわかったうえで原作もう1回読んで。僕は6月10日に『DESPE－invitacional（デスペ・インビタショナル）』という興行を後楽園ホールでやらせていただいて、なぜこの試合を組んだのかみたいな説明を入れるナレーションを録ったときに、今回オファーしていただいた人がしゃべることのちょっとした能力というものに気づいてくれて。それでFを生かしてくれと言っていただいたので、僕にできることだったらありがたいなという気持ちで受けました」

　－戦闘員Fにシンクロする部分があるとのことですが

　「Fは原作とアニメでは結構落ち着いてるんですよ。その分、達観してるというかちょっと諦めてるというか。もうあがいたってしょうがないじゃん、もうこうなっちゃったんだから諦めようみたいな。でもDに触発されて行動おこしてっていう部分があって。僕もプロレスラーとして、どうしても一皮むけないというか、人様に見に行こうと思ってもらえるようなものを提供できない時代が長くて。勝手にシンパシーを感じて、彼が思ってたこととか感じてたことって俺も表せられるんじゃないかなっていうのが結構大きくて」

　－舞台に興味があって見ることはあったんですか

　「舞台を見ること自体はとても好きで、最近で言えば、すごい残念なことにウマ娘の舞台のチケット買ってたらコロナの影響で一週間ぐらいその舞台が中止になってしまって。『DESPE－invitacional』の翌日にリコリス・リコイルの舞台を見る約束してたら身内の都合で行けなくなって。2.5次元見る前に出ることになりました（笑い）」

　－俳優エル・デスペラードとして9日に新日本プロレスでコラボマッチにセコンドとして登場されます

　「うれしいですよね。業界を全部ひっかきまわしたいです。プロレス界を外に広げたいですし、今回やってわかったんですけど、舞台でやっておられる周りのアンサンブルの仲間たちとか、主演の富永さんだったり、一緒に試合のセコンドにつくレッドキーパーの武子直輝さんだったり、すごい人たちでかっこよくて面白くて。どちらの業界にももっと開かれてもっと見つかっていいはずだっていうのは非常に感じました」

　－『戦隊大失格』の原作に対しての印象は

　「僕が中学校ぐらいの時に思ってたことをそのまま具現化されているなと思いました。僕はどちらかというとウルトラマン見てても怪獣が好きなんですよね。どちらかというと感情移入というか熱を持って見てたのはダークサイドの方で。仮面ライダーBLACKも、BLACKよりシャドームーンの方が好きでした」

　－戦隊と怪人達のあり方の根底をひっくり返していて、「DESPE－invitacional」で目線を変えた所から引っかき回しているのと共通点があるのかなと

　「多分おふくろのせいなんですよね。僕昔から絵描くのとか好きだったんですよ。でも、普通のものを描くとつまらないって言われたんですよ。絵を描く時に物質をいろんな方向から見るというのもそうなんですけど、物語っていうものを表から裏から考えて読んでみろって言われたんです。そこからすごく物の見方はヒネくれましたね。だから佐藤光留さんのことも好きなんでしょうね」

　－俳優業をやるにあたって、稽古に入る前の時点で舞台の世界のこういうところを見てみたいだとか、こういうところを吸収したいなと思っていた部分は

　「なんか盗んでやろうというのが正直なくて、全力でとりあえずやらないと失礼だ、ということしかない。舞台に上がれて、今のこのメンツと初舞台というものをやらせていただくっていうのが、僕の『戦隊大失格』ザ・ショーのゴールなんで。これでリングに戻った時に戦闘員なみに弱くなってたら、ザ・ショーのせいだと思ってください（笑い）」

　『戦隊大失格』ザ・ショーは9月11日～同16日まで東京ドームシティ・シアターGロッソで全10ステージが行われる。チケットは現在、発売中。