東大卒キックコーチが世界へ「イギリスにもいなかった」 海外視察で得た確かな自信【インタビュー】

AI要約

現在解説者として活躍する林陵平氏がかつて監督を務めるなど、サッカー界に多様な人材を輩出している東京大学ア式蹴球部。そうしたなか、東大卒業と同時にサッカースクールを起業し、国内でも珍しいキック専門コーチとして活動する人物がいる。

田所さんは高知県出身で、東大進学を機に上京。東大サッカー部では3年次までフィジカルコーチを務めた。実は当時「FOOTBALL ZONE」でも一度取材をしており、在学中からキックコーチとして起業するビジョンを語っていた。その宣言どおり、在学中の4年次にはキックコーチとして指導を始め、卒業と同時に「Kicking Lab」を起業して本格的にキックコーチとして活動を事業化した。1年目となった昨年の活動は多忙を極めたという。

1年間、スケジュールがパンパンになるくらい仕事を詰め込んで本気で指導に没頭してみて、1回のトレーニングだけでも格段に上手くなる方がいたり、年間を通じてみるみるうちに成長していく姿を見て、自分のキックに対する理論は間違っていないんだなと思えました。自分も回数をこなすことでどうやったら選手に伝わりやすいのかといった部分も身に付いて、それがすごく自信になりました

東大卒キックコーチが世界へ「イギリスにもいなかった」 海外視察で得た確かな自信【インタビュー】

 現在解説者として活躍する林陵平氏がかつて監督を務めるなど、サッカー界に多様な人材を輩出している東京大学ア式蹴球部(体育会サッカー部。以下、ア式蹴球部)。そうしたなか、東大卒業と同時にサッカースクールを起業し、国内でも珍しいキック専門コーチとして活動する人物がいる。田所剛之(2023年卒業)さんだ。今回は、キックコーチとして活動するその内容と、10月から本格的に開始するという海外進出についてインタビューを行った。(取材・構成=FOOTBALL ZONE編集部)

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 田所さんは高知県出身で、東大進学を機に上京。東大サッカー部では3年次までフィジカルコーチを務めた。実は当時「FOOTBALL ZONE」でも一度取材をしており、在学中からキックコーチとして起業するビジョンを語っていた。その宣言どおり、在学中の4年次にはキックコーチとして指導を始め、卒業と同時に「Kicking Lab」を起業して本格的にキックコーチとして活動を事業化した。1年目となった昨年の活動は多忙を極めたという。

「在学中はパーソナルトレーニングのみを行っていましたが、起業後はより多くの人数を指導できるようサッカースクールも開始しました。都内を中心に4か所9クラスで開催し、各クラス月2回開催しています。加えてパーソナルトレーニングも引き続き行っており、月間40~50件ほど担当させていただいています。合計すると1年間で延べ2186人の方に指導させていただき、充実した1年目を過ごすことができました。

 年代は小学生から大人まで幅広く担当していますが、主に小学生に指導をすることが多いです。というのも、中学、高校、大学とステージが上がっていくと、技術というよりもフィジカルの比重が大きくなる傾向があるからです。私はフィジカルで解決するような蹴り方を身に付けてしまう前に、効率的かつ合理的に強いキックを蹴るという技術を指導したいという気持ちがあるため、若い年代に関わることが多いです。

 1年間、スケジュールがパンパンになるくらい仕事を詰め込んで本気で指導に没頭してみて、1回のトレーニングだけでも格段に上手くなる方がいたり、年間を通じてみるみるうちに成長していく姿を見て、自分のキックに対する理論は間違っていないんだなと思えました。自分も回数をこなすことでどうやったら選手に伝わりやすいのかといった部分も身に付いて、それがすごく自信になりました」