井上尚弥、同門メンバーたちを「背中」でけん引「練習量は一番多い」大橋会長

AI要約

4団体統一スーパーバンタム級王者井上尚弥が同門メンバーたちをけん引し、集中合宿でフィジカル強化に取り組む様子が描かれている。

井上自ら率先してトレーニングに取り組み、後輩選手たちに刺激を与える姿勢がグループ全体のモチベーションを高めている。

井上のリーダーシップ力が所属ジムの選手たちに影響を与え、一体感を持って成長している様子が示されている。

 4団体統一スーパーバンタム級王者井上尚弥(31=大橋)が同門メンバーたちを「背中」でけん引している。

 7月中旬、フィジカル強化を目的とした3日間のジム内集中合宿を実施。これまでWBA世界バンタム級王者の弟拓真(28)、元日本、WBOアジア・パシフィック・スーパーライト級王者のいとこ浩樹(32)ら「チーム井上」で取り組んでいたが、今回は井上の呼びかけで、同日に初防衛戦に臨むWBO世界バンタム級王者武居由樹(28)、WBA世界スーパーライト級挑戦者決定戦を控える同級6位平岡アンディ(28)が初参加した。

 元世界3階級制覇王者八重樫東トレーナー(41)、12年ロンドン五輪ウエルター級代表の鈴木康弘トレーナー(36)のもと、心拍機能を上げる激しいフィジカルメニューを全員で消化した。井上自ら率先してサンドバッグ連打を続け、過呼吸気味に倒れこむ。自らを追い込み続ける姿に後輩たちが燃えないはずがない。所属ジムの大橋秀行会長(59)は「やっぱり『井上尚弥がこれだけやっているのだから』と後輩選手は燃えるよね。それがジム内に広がる。今、大橋ジムの選手の練習量は一番多いと言えるよ」と強調した。

 集中合宿を通じ、武居が「緊張感があって(井上に)引っ張ってもらっている」と言えば、平岡も「みんなでやるという一体感が出て良かった」と明かす。大橋会長は「井上が先頭で頑張り、若いトレーナー陣が厳しくチェックしてトレーニングを盛り上げる。本当に相乗効果だよね」と何度もうなずいた。

 以前から井上はジム外で同門選手たちをまとめていた。数年前から飲食店で同門のプロ全員を集めた選手ミーティングを開催し、雰囲気を盛り上げてきた。大橋会長によると、会合費用は井上が全額を支払っているという。同会長は「後進に伝えていこうという意識を感じる。これがジムの中で『継承』されていくはず」と分析する。井上の高いレベルのリーダーシップ力が所属ジムも勢いづけている。【藤中栄二】