藤田晋「日本代表監督候補に、黒田剛の名前が挙がる日を待ち望んでいます」

AI要約

黒田剛監督がFC町田ゼルビアをJ2優勝、J1昇格へと導く過程について語る。

J1リーグ参戦後の展望やゼルビアの成長について述べる。

地域に愛されるクラブづくりとグローバリゼーションへの対応について考察する。

藤田晋「日本代表監督候補に、黒田剛の名前が挙がる日を待ち望んでいます」

青森山田高校サッカー部の名将・黒田剛がプロへ。たった1年で前年15位だったFC町田ゼルビアをJ2優勝へ、さらに、2024年はJ1で大躍進中。Jリーグ参戦後初、待望の書き下ろし『勝つ、ではなく、負けない。 ~結果を出せず、悩んでいるリーダーへ~。』の一部を再編集してお届けする。第7回。

藤田 ゼルビアの今後や未来について、どういったものを築いていきたいですか。

黒田 J1はJ2より数倍過酷なリーグ戦です。それは承知の上で、また私にとっても初めてのリーグということで、新たなチャレンジとなります。もちろん不安もありますが、ワクワクする気持ちの方が正直強いです。

2023年の1年間は戦うためのベースづくりの時期でした。ある意味どこのチームよりも細かく選手たちに原理原則などを落とし込んできたし、J1でこのベースがなくなってまったく違うことをするということはなく、継続していきます。

戦う意味でのメンタリティをしっかりとベースにした上で、クオリティの高い選手を入れたり、さらにテクニカルに、またはスピーディーに攻守の切り替えを激しく、球際もさらに強く......というふうにすべての部分でグレードを1段階、2段階と上げていく。そして、J1でも手強いチームへと進化させていく。自分の中でも具体的なイメージをしっかりと持って、準備を着実に進めていきたいですね。

藤田 将来という話をすると日本の地域に根ざしたリーグやクラブ経営というのは、どうしても商業圏という意味では大きくない。世界の中で戦うとなると苦しい部分があるのですが、一方で、地域マーケティングには一定の可能性を感じています。

2023年はゼルビアも勝てば勝つほどファンやサポーターが増えていくというのを狙っていましたし、実際にそうなりました。優勝パレードの時の町田の街頭にいたのは、多分ですが、半分以上がスタジアムには来たことがない人のように感じました。その人たちがパレードを見たということはまだまだポテンシャルがある。地域に愛されるクラブづくりというのは本当に正しいやり方だし、高い可能性を感じています。

本業がITなのでネットを使ってファンクラブを作ってほしいと言われますが、結構幻想なんですよね。もっと重要な論点はやはりグローバリゼーションです。ネットによりボーダーレスになったことで、簡単に海外のスポーツを見ることが可能になった。そこでやはり見たいと思えるものにしないといけない。

我々も日本のスター選手がイングランドのプレミアリーグに行けば、今まで視聴することがなかったブライトンの試合を毎試合見るように、海外のスター選手がJリーグに来ればその可能性ももちろんあります。だから、少なくともアジアの中では一番注目されるリーグにしないといけないと思いますね。