賛否分かれる高校野球「7イニング制」…そのウラで強豪校が苦悶する、想像を絶する《深刻な問題》

AI要約

夏の甲子園は京都国際高校が初優勝し、大会では2部制や7イニング制の導入などの変化が見られた。一方、野球部員による不祥事も横行し、その問題解決も重要視されている。

7イニング制の導入が検討されており、採用されれば暑さ対策にもなるが、選手数の減少や競技の質に影響が出る可能性もある。

部員による不祥事は表面化していないケースも多く、スマホを利用した問題行動や盗難が起きており、学校側の対応が課題となっている。

賛否分かれる高校野球「7イニング制」…そのウラで強豪校が苦悶する、想像を絶する《深刻な問題》

夏の甲子園は京都国際高校が初優勝。深紅の優勝旗に新たな校名のペナントが加わった。また、今大会は序盤の3日間は1日3試合にしてもっとも暑い時間を避ける二部制を実施。近年の高校野球は低反発バット、クーリングタイム、タイブレーク制度、球数制限などを採用しており、変革期を迎えている。

そんな中、また大きな変更が検討されている。7イニング制の導入だ。その行方も気になるところだが、一方で目を背けてはいけないのが横行している野球部員による不祥事だ。

高校野球に詳しい関係者は7イニング制の導入について、こう見通しを語る。

「反対意見も多いですが、高野連が正式に検討していることを発表したのだから採用する方向で進んでいると見るべき。昨年、ある技術・振興委員と話したときも7イニング制に抵抗がない口ぶりだった。設置したワーキンググループはすでに2度、会合を行っていて早ければ来年からという可能性もある。

7イニングなら試合は2時間で終わると試算していて、たしかに酷暑対策になる。この年代の国際大会も7イニングで行われている。ただ、イニングが短くなれば当然、出場できる選手も減るし、うまい子のためのプロの下部組織のような色合いが濃くなってしまうという懸念もある」

関係者は教育の一環であるという根幹が薄れることをそう危惧するが、一方で、近年、強豪校の部員による不祥事が相次いでいるという。

この1年でも部員によるわいせつ事案や、窃盗などが複数報じられているが、野球部に携わるある高校教諭は「氷山の一角に過ぎない」と警鐘を鳴らす。

「表に出ていないだけで、いくらでも聞こえてきますよ。今はスマホがあるから軽い気持ちで盗撮してしまうというのはよくありますし、飲酒や喫煙している動画がSNS上に出回って発覚するケースも多い。大阪桐蔭のように携帯電話を禁止している高校もありますが、そうしたことを未然に防ぎたいんでしょう。まだ未成熟な高校生ですから、それもうなずけます。

寮で私物や金銭が盗まれたり、このところ多いのは部の備品やほかの部員の道具をネットで売りさばくこと。大学でも同じような事例が出ています。

中には問題と真摯に向き合って練習を自粛するところもありますが、そうした不祥事を高野連や教育委員会に学校側から報告することはほとんどないと言っていい。覆い隠そうとする。報道されているものは、抑えきれなかったということでしょう。父母会で知った親が直接、高野連や教育委員会に連絡したり、敵対関係にある学校からリークされたりしますから。

明るみになっていませんが、今夏の甲子園にも出場していた甲子園常連高校の中にも、この春、ネットで仲間の道具を売って退学処分になった部員を出したところがあります」