昌平の日本一が新たな刺激に。西武台DF谷口輝主将はより「前から」と厳しさを持って同県のライバル超えを目指す

AI要約

昌平高が埼玉県代表として初めての全国王者となり、昌平高との再戦に向けて西武台高が挑戦を続けている。

昌平に敗れた西武台高は選手権に出場し、MF大谷湊斗主将を封じる可能性がある。

チームは上向きだが、関根雄太コーチの厳しい指導のもと、より努力を重ねている。

昌平の日本一が新たな刺激に。西武台DF谷口輝主将はより「前から」と厳しさを持って同県のライバル超えを目指す

 全国王者を破って、選手権に出る。今夏のインターハイで埼玉県代表の昌平高が初優勝。埼玉県勢としては、1973年の児玉高以来51年ぶりとなる快挙を成し遂げた。西武台高は埼玉県予選決勝でその昌平と対戦し、1-5で敗戦。ライバルの全国大会での活躍から新たな刺激を受けている。

 西武台は今年、U-17日本高校選抜のDF谷口輝主将(3年)や注目エースFW竹内奏海(3年)、大型GK松田聖也(3年)、FW鈴木洸晴(3年)らを擁し、期待の世代。埼玉県高校新人大会では武南高と両校優勝を果たしている。

 だが、プリンスリーグ関東2部では4連敗を喫するなどなかなか波に乗れなかった。「しっかり変われるように」(谷口)臨んだインターハイ予選で決勝進出。それでも、決勝では昌平に前半だけで3点を奪われ、1-5で敗れてしまう。谷口は「昌平に差が大きいっていう感じの……凄く刺激を与えられて終わった状態でした」と振り返る。

「(個々の技術力が高い相手に対し、)戦うってところだとは負けないと思うんですけど、(インターハイ予選では)そこも出し切れずに終わって5失点して負けたっていう状態だったんで。もう一回、決勝で戦うところまで行って、3年間最後の集大成でやり切れば勝てるかもしれないって相手なんで、全力でやりたいなと思います」(谷口)

 インターハイ予選決勝で敗れた直後のロッカールームでは、涙を流す選手がいた一方、「選手権、もう一回戦えるから」「みんなでもう一回やろうぜ」という声も挙がっていたという。相手の強力攻撃陣に対し、前回はブロックを敷いて臨むも完敗。だからこそ、「もう最初から(自分たちらしく)前から全部行って、その中で引っ掛けて、カウンターの良さとか自分たちあるんで、そこで仕留められればという思いを持ちながら、今挑んでいます」(谷口)。次回の昌平戦は、前から行き切って仕留めることを目指している。

 8月の「和倉ユース大会」では、帝京長岡高(新潟)や岡山学芸館高(岡山)、興國高(大阪)などを破って44チーム中4位に食い込んだ。続く「U-18青森ユースサッカーフェスティバル」でも瀬戸内高(広島)や札幌U-18(北海道)に勝利。ボランチ挑戦中の注目DF谷口は、「まだ慣れないところがあるんですけれども、守備でボールを取りに行くだったり、 セカンドの回収のところで戦うだったりってところは自信持ってできる」。得意とするサイドチェンジに加え、スルーパスでアシストしたりゴールを決めることも目標だ。

 昌平との再戦が実現すれば、高校選抜のチームメートでもあるMF大谷湊斗主将(3年)封じを中盤で担う可能性が高い。「高校選抜とかで一緒にやってたりして上手さだったり、技術の高さっていうのは凄い見てましたし、今回も(彼がU-18日本)代表入ったりってところで、やっぱ刺激になるんで。自分がもしマッチアップできたら絶対楽しい相手だと思うんで、そこを負けないように残り何か月か頑張っていきたいなと思います」と力を込めた。

 チームは上向きだが、関根雄太コーチから厳しい言葉も受けたという。谷口は「(選手権に出るためには)埼玉県で昌平に勝たないといけない。(日本一のチームに)勝つためにやっぱり相当な努力だったり、厳しいことをやっていかないと勝てない。『このままじゃ勝てないよ』とは言われました」と明かす。

 コーチ陣に恩返ししたいという気持ちは特別。「(西武台で40年にも渡って指導する守屋保監督が)今年、自分たちのクラスの担任を持ってくれていて、毎日学校面でもいつもサポートしてもらっていて感謝しかないので、守屋先生や関根先生のためにも全国連れていきたいなって気持ちはほんと強いです」。また、10番FW遠藤秀悟(3年)が長期離脱中。中学時代からチームメートの谷口は「秀悟の分もみんなでやろう、っていうのは常に皆で話しています」。現状では、まだまだ努力が足りない。日常を変えて最強のライバルを超える。