全英“辞退”で国内ツアー選択のワケ 首位発進の桑木志帆「来年は出られるように」

AI要約

桑木志帆が海外メジャー出場を断念し、国内ツアーで好調なスタートを切る。

体調不良を乗り越えて今大会に挑む志帆が、イーグルを含む5アンダーで首位タイに。

今後の目標は世界ランキングを上げて来季の海外メジャー挑戦に備えること。

全英“辞退”で国内ツアー選択のワケ 首位発進の桑木志帆「来年は出られるように」

<ニトリレディス 初日◇22日◇桂ゴルフ倶楽部(北海道)◇6651ヤード・パー72>

海外メジャー「AIG女子オープン」の出場を断念して、今大会に臨んでいる桑木志帆が「67」のラウンドで、5アンダーの首位タイと最高の滑り出しを見せた。世界ランキングによる繰り下がりで、直前になってメジャーの出場権を獲得したが「そのときは体調も、ゴルフの調子も良くなかったので、自信を持って行ける状態ではないと思いました」と辞退。国内ツアーを選んだからには、ここでしっかり結果を残すつもりだ。

全英の出場権獲得の連絡を受けたのは「先週の火曜日の夕方か、夜だったと思います」。前の週は予選落ち。「先週の初めからお腹がキリキリ痛くて、あまり食べられない感じで」と体調も良くなかった。そんななかで、その日のうちに返事をしなければならないという状況。初の海外メジャー、しかも聖地、セント・アンドリュースでの開催とあって、出場したい気持ちはあったが、今回は断念という結論に至った。

体調はいまだ万全ではないが「これで痩せるのでちょうどいいです」と冗談を言える程度にまで回復。さらにゴルフの調子は急上昇中だ。「上半身が突っ込むことが多かったんです。先週から下半身主導でしっかり捻転するように意識したら良くなりました」。先週の「CAT Ladies」は優勝した「資生堂レディス」(6月)以来のトップ10となる9位タイに食い込んだ。

この日は前半から切れ味の鋭いアイアンショットを連発し「そのうち入るんじゃないかと思っていました」。そんな予感が現実になったのが、後半の2番パー4。残り142ヤードから8番アイアンで放り込んでイーグル。「打った瞬間入るかもというぐらいいい感触で、2メートルぐらい手前にキャリーして、キレイに入りました」と振り返った。

イーグルは今季8個目でツアー首位。ティショットの総合的なうまさを示すトータルドライビングでも現在3位につけている。「トータルドライビングも一時期、首位だったんですけどね。今日のような調子なら、また(首位に)戻ると思います」と失いかけていた自信もすっかり回復。各種のスタッツは特に気にしていないが「なんでも一番はうれしいです」と話した。

今年の全英は欠場となったが、海外メジャーへの思いは強い。「ここから頑張って、世界ランキングを上げて来年はいっぱい出られるようにしたいです」。今大会を制し、来季の海外メジャー挑戦への足掛かりにするつもりだ。(文・田中宏治)