大社の選手がリアル証言「いま自分は…限界を突破している」泣きじゃくる父も大社OBだった「甲子園中に母から送られてきた“動画”」

AI要約

大社高校野球部が早稲田実業との激戦を制し、甲子園での勝利を収める。園山選手の活躍や地元支持の力が勝利につながった。

園山選手がブルドッグバントで攻守に貢献し、限界を突破した勝利をもたらす。

大社高校野球部の躍進の秘密は地元出身者でチームを組むことと、強力な応援の存在にあった。

大社の選手がリアル証言「いま自分は…限界を突破している」泣きじゃくる父も大社OBだった「甲子園中に母から送られてきた“動画”」

 ブルドッグ――。そう呼ばれるバントシフトがある。

 早稲田実との3回戦、大社は9回裏に2-2の同点に追いつき、延長タイブレークに持ち込んだ。その最初の守備、10回表のことだった。

 早実の先頭打者を迎え、大社の内野陣は100パーセント、送りバントでくると読んだ。サードの園山純正(そのやま・じゅんせい)は投球と同時に勢いよく前進し、三塁側に転がってきたバントの打球を処理。素早い送球で三塁進塁を阻止すると、地面に突き刺すようなガッツポーズを見せた。

「ブルドッグを仕掛けるのは選手たちの判断。ノックの最後に何度もやってきた練習なので、超積極的思考で、絶対できると思ってやりました。あの試合は限界を突破したというか、甲子園にきてから、なんで自分はこんなにできてるんだろうという感覚があった」

 大社は10回表、11回表と2イニング続けて早実の攻撃を0点でしのぎ、11回裏にサヨナラ勝ちを収めた。

 彼らを突き動かしていたのはアルプススタンドを埋め尽くす「紫の大応援団」だった。

 園山の体に未知の力が宿ったのは1回戦の報徳学園戦だったという。報徳学園といえば、甲子園のお膝元の強豪校だ。大応援でも知られる。

「報徳の『アゲアゲホイホイ』(応援歌)がすごいって聞いていたんですけど、ぜんぜんすごくなかった。うちの応援の方がすごかったので。あの試合で、どこが相手でも怖くなくなりました」

 2回戦の創成館戦は先行されながらも2度追いつき、最後は延長タイブレークにもつれたものの5-4で逃げ切った。8番打者の園山はしびれる場面で2度のスクイズを含む3犠打を決めるなど、勝負所でことごとく自分の仕事をした。

「緊張した場面でよく決められたね、って言われたんですけど、ぜんぜんそんなことはなかったんです。応援があると打席の中でもリズムに乗れるし、緊張がほどけるんです」

 大社の躍進の秘密を尋ねると、園山は確信に満ちた表情でこう言った。

「地元の選手たちでやるって、本当に大事で。島根にも県外出身者が多い強豪があるんですけど、僕らはそこにも負けるはずがないと思っていました。小学校から高校まで関わってきた人たち、みんなが応援してくれていたので」