【阪神】近本光司4安打も悔しい敗戦「あとは結果だけ」プロ6年目までの通算安打記録まで35

AI要約

近本光司外野手が好調でチームを牽引する中、阪神は中日に逆転負けを喫し、3連敗。1勝もできず、プレーオフ進出への道が厳しくなっている。

近本は5試合連続の初回先頭安打という驚異的な記録を樹立し、勝利への貢献度を高めている。左腕投手相手にも好調をキープし、キャリア通算安打数も歴代3位タイに並んでいる。

シーズンを通じても苦しんできたが、不振期間もチームや打撃に関する取材を怠らず、進化を続けている。残り試合での活躍がプレーオフ進出に繋がるかが注目される。

【阪神】近本光司4安打も悔しい敗戦「あとは結果だけ」プロ6年目までの通算安打記録まで35

<中日8-4阪神>◇18日◇バンテリンドーム

 いよいよ正念場だ。阪神が下位に沈む中日を相手に逆転負けを食らい、引き分けを挟んで3連敗を喫した。

 敵地3連戦で内容、結果ともに痛すぎる2敗1分け。苦しいチーム状況の中、頼みの綱は近本光司外野手(29)だ。5戦連続の初回先頭安打から今季初の1試合4安打。直近5試合で3度目の猛打賞を記録した。これでプロ6年目までの通算891安打は歴代3位タイ。1位長嶋茂雄(巨人)の926本の更新にも期待がかかるリードオフマンが、逆転Vの使者になる。

 バンテリンドームできっちり白星を稼ぐもくろみは外れた。1勝もできず、2敗1引き分け。広島、巨人の背中は逆にかすみ始め、危険水域に入ってきた。強みだった投手陣にもほころびが目立ち始めた。ペナントレースは残り1カ月強。待ったなしの時期に入った。それでも、光はある。切り込み隊長の近本が、ぐんぐん調子を上げてきた。

 まず初回先頭で左前打。驚異の5試合連続の初回安打となった。ヒットパレードが幕開け。3回は先制の左翼線二塁打。さらに5回も左前へ。立て続けに大野から3安打を連ねた。

 四球をはさんで、締めは9回だ。1死一塁で橋本の初球をまたも左前にはじき返した。今度もミスショットすることなくヒットコースをとらえ、今季初の4安打。5試合で3度目の猛打賞と快音が止まらない。

 「まあどれもね、(打席で)やりたいことはしっかりできているので。あとは結果だけなので。勝てばよかったなと思います」。淡々とした表情の中に、負けた悔しさを隠した。

 全5打席で出塁を記録。8月の出塁率は4割5分9厘となった。この日はすべて左腕が相手で、対左投手の打率は3割6分まで上昇。「左も右も一緒のように打てたら…」と話したが、完全復活近しの匂いを漂わせている。

 金字塔も射程内に収めている。通算安打を891に伸ばし、プロ6年目までの安打数で歴代3位の赤星憲広(阪神)に肩を並べた。1位のミスタープロ野球・長嶋茂雄(巨人)は926本で、あと35本。阪神の残り試合は32。1試合1本強のペースで期待は高まる。

 かつてないほど苦しんできたシーズン。チーム事情で4番を任された6月に調子が落ち込んだ。その間も、不振の原因究明と、より進化するために他人への「取材」は怠らなかった。球宴中には広島新井監督にも話を聞いた。芯がブレることはないが、さまざまな角度から打撃の考えを取り入れ、すり合わせを行い、アップデートする。その成果を1年の集大成として、発揮するつもりだ。

 「次もしっかり打てるように。頑張りたい」。安打製造機の復活に、中軸がかみ合い出せば得点力は飛躍的に上がる。バットの力で逆転Vへのラストスパートを導く。【柏原誠】

 ▼近本がプロ入りから6年間の通算安打をプロ野球歴代3位タイの891とし、最多の長嶋茂雄(巨人)926へあと35とした。阪神は今季残り32試合。近本は1試合平均1・09安打で並ぶ。仮に全試合に出場して毎試合4打数ずつとすると128打数。残り試合で打率2割7分3厘が、おおよその目安となる。