神撃の大社、早実も撃破!サヨナラ8強

AI要約

32年ぶりの高校野球選手権大会出場の大社が、延長十一回タイブレークの末に早実を3―2でサヨナラ勝ちし、93年ぶりの準々決勝進出を果たした。

延長十一回、エース左腕の馬庭優太投手が決勝打を放ち、チームを勝利に導いた。馬庭は149球を投げ抜いて11回完投勝利を収めた。

大社は強打の早実打線に対して苦しい展開も乗り越え、試合を制した。準々決勝では神村学園との対戦が控えている。

神撃の大社、早実も撃破!サヨナラ8強

第106回全国高校野球選手権大会第11日第4試合(17日、早実2-3x大社=延長十一回タイブレーク、甲子園)32年ぶり出場の大社は早実(西東京)に延長十一回タイブレークの末、3―2でサヨナラ勝ちし、93年ぶりの準々決勝に進出した。1点を追う九回にスクイズで追い付き、十一回にエース左腕の馬庭優太投手(3年)が中前に決勝打を放った。18日は休養日。19日の準々決勝では神村学園と対戦する。

エース左腕の涙の力投に聖地が揺れた。一瞬たりとも目が離せない死闘は、大社が延長十一回タイブレークの末にサヨナラ勝利。149球を投げ抜いた馬庭が自身のバットで激戦に終止符を打った。

「今まで捉えた打球の中で一番気持ち良かった。応援されていると感じ、野球って最高だなと思った」

延長十一回、先頭の代打・安松の犠打が三塁線ギリギリに転がる内野安打となり無死満塁。一打サヨナラの場面で馬庭に回ってきた。「(監督に)お前が決めてこいと言われた」。カウント2-1から外角高めの直球をたたきつけ、打球は投手の足元を抜け中前へ。試合を決めた背番号1は両手を大きく広げ、月が輝く天を仰いだ。

まさにエースの投球だった。強打の早実打線を相手に7安打2失点の11回完投勝利。同点に追い付いた九回1死二、三塁では、相手が左翼手をマウンドと三塁の間に置く〝スクイズ警戒シフト〟を敷いてきた。藤江の打球はその左翼手の前に転がり、左ゴロに。さらに本塁をついた三走・園山もタッチアウト。サヨナラ機を逃して嫌な空気が流れたが、タイブレークの延長十、十一回を味方の好守もあって無失点で切り抜け、流れを渡さなかった。

「すごく苦しかったが、周りには仲間がいて、自分は投げ切るだけ。いい守備だなと改めて思った」

1-1の七回にはその守備にほころびが出た。中前打を中堅手の藤原がまさかの後逸。打者が一気に生還して勝ち越しを許した。「藤原は自分をすごく助けてくれた存在。カバーしてやりたかった」。仲間のためにも腕を振り、それ以上の追加点は与えなかった。試合後はグラウンド上で涙を流す藤原と熱く抱擁を交わした。

1回戦で1981年大会優勝で、2年連続で選抜大会準優勝の報徳学園(兵庫)を撃破。さらにともに15年の第1回大会から地方大会に出場する古豪で、2006年大会優勝の早実も倒した。出雲大社近くに学び舎を構え、メンバー20人中19人が島根県内の中学出身という公立校の躍進。三塁アルプスに陣取った2800人の紫の大応援団だけではなく、はつらつとしたプレーで野球ファンも味方につけた。