【巨人】練習すれば「うまくなる」井上温大自ら2適時打「相手にダメージ与え」6回1失点6勝目

AI要約

巨人が台風一過でDeNAを11-1で快勝し、井上温大投手が6回4安打1失点の好投を見せる

井上温大投手が2安打2打点で自らを援護し、岡本和真内野手が11試合ぶりの18号2ランを放つ

井上温大投手はプロ初打点を記録し、13年ぶりの巨人投手の1試合2本の適時打を達成。苦難を乗り越えて成長を遂げる

【巨人】練習すれば「うまくなる」井上温大自ら2適時打「相手にダメージ与え」6回1失点6勝目

<DeNA1-11巨人>◇17日◇横浜

 巨人が台風一過で快勝した。先発井上温大投手(23)が6回4安打1失点で6勝目を挙げた。打撃では2回2死二、三塁から投手強襲の先制適時打でプロ初打点をマーク。3回にも遊撃適時内野安打を放ち、2安打2打点で自らを援護した。主砲にも快音が戻った。4番岡本和真内野手(28)に11試合ぶりの18号2ランも飛び出し、チームとしても15安打11得点を量産。貯金を今季最多の12まで積み上げ、首位広島とゲーム差なしと肉薄した。

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 “マルチ自援護”で輝いた。2回2死二、三塁、井上がバットで先制点を導いた。DeNA石田裕の真ん中146キロツーシームをコンパクトに捉える。お手本のように投手足元を強襲。グラブを弾き、先制の適時内野安打とした。「前に飛ばそうと思ってくらいついた」と5年目でプロ初打点。3回2死満塁では石田裕の外角146キロ直球を三遊間に転がした。足で遊撃への適時内野安打で続いた。

 巨人投手の1試合2本の適時打は、13年8月25日DeNA戦の菅野以来、11年ぶりだった。「ピッチャーに打たれると、相手にもダメージが残る」と効果的な1本で打線にも火を付けた。前橋商では高校通算0本塁打で、今季は試合前まで18打数1安打。苦手でも「やればやるほどうまくなる」とマシン打撃を意欲的に取り組んだ。4回1死満塁は見逃し三振で、3本塁打を含む4安打を放った67年堀内以来となる3本目の打点付き安打こそ逃したが、自らを援護した。

 本職のマウンドでも6回4安打1失点で自身4連勝だった。3者凡退はなくとも、連打を許さず。「勝てるところまで勝ちたい」と言葉にも自信が出てきた。

 1年前の春。左肘痛に悩みながら、寮の風呂でふと思った。鏡に映る自分の体と、チームメートの体を見比べ「みんなと全然、違うな。細いし小さいし。そりゃけがするよな」。プロの世界で戦える自信を失いかけた。「将来、年俸1000万にいけば満足ですよ」とも漏らしたこともある。

 現実の厳しさを感じる中で、自分と向き合い、こうも思った。努力を突き詰められているのか。球界最年長左腕ヤクルト石川が睡眠時に指輪型の活動量計「オーラリング」を指にはめていると知り、マネして購入。心拍数、呼吸数などを知り快眠につなげた。野菜嫌いは変わらずも、朝食には1杯の青汁が加わった。打者の攻略法も自ら考える。心技体を見直し、体も一回り大きくなった。

 マウンドでは先制点を取られないことを考える。その最初の1点を自らのバットで生み出し、まさかの二刀流で躍動。ローテの一角として経験を重ねながら、必要な戦力となっている。【上田悠太】