パリ五輪開会式「意外な日本人選手」がブラジルで“セリーヌ・ディオン級に好感度アップ”なワケ…ジーコ71歳は「3250万円分盗まれた」大災難

AI要約

パリ五輪の開会式や閉会式で起きた出来事や注目ポイントを報道したブラジルのテレビ局の反応について述べられている。

開会式の視聴率や報道内容、各種演出、出演者に関する報道や視聴者の反応について紹介。

特に、LGBTQのモデルや難病を公表した歌手など、異色のシーンに対するブラジルの評価や反応が示されている。

パリ五輪開会式「意外な日本人選手」がブラジルで“セリーヌ・ディオン級に好感度アップ”なワケ…ジーコ71歳は「3250万円分盗まれた」大災難

日本のメダルラッシュとともに運営面で様々な物議を醸したパリ五輪。セーヌ川で開催された開会式や、トム・クルーズらが登場した閉会式も話題となった。2016年リオ五輪を開催したブラジル国内のテレビ局では、どんな報道・評価がなされたのか。現地在住日本人ライターが見た。〈全2回〉

 現地時間の7月26日午後7時半から約4時間にわたって行なわれたパリ五輪の開会式は、ブラジルでも地上波、ケーブルテレビ、そしてYouTubeで同時中継され、大きな反響を呼んだ。

 日本では27日の午前2時半に始まったためテレビを見ていて寝落ちした人が多かったようだが、ブラジルでは26日午後2時半からという絶好の時間帯。テレビの視聴率は、地上波が平均16%でピーク時は22%、ケーブルテレビが3%でYouTubeでは累計500万人。最多で国民の約27%が視聴したことになる。

 スポーツ局テレビESPNのHP電子版は、名場面として以下の7つを挙げた。

(1)謎の覆面男がパリ市内を飄々と駆け巡って聖火のトーチを送り届けたこと。

(2)レディー・ガガがフランス発祥のキャバレーにちなんだシャンソンと踊りを披露したこと。

(3)フランスの女性オペラ歌手がフランス国歌「ラ・マルセイエーズ」を見事に歌い上げ、これと合わせて10人のフランス女性が国家への多大な貢献を称えられたこと。

(4)ロシアとウクライナ、イスラエルとパレスチナなどの戦争によって世界の分断が深まる状況で、36人の難民選手団が平和の大切さを訴えたこと。

(5)橋の上で行なわれたファッションショーに、多くのLGBTQのモデルが参加したこと。

(6)ジネディーヌ・ジダン(フットボール/フランス)、ラファエル・ナダル(テニス/スペイン)、ナディア・コマネチ(体操/ルーマニア)、セレーナ・ウィリアムズ(テニス/アメリカ)、カール・ルイス(陸上/アメリカ)、テディ・リネール(柔道/フランス)ら世界のスポーツの歴史を彩る名アスリートたちが種目と国籍を超えて聖火リレーに参加したこと。

(7)2022年末に難病(痛みを伴う筋肉の硬直と痙攣などの症状が出るスティッフパーソン症候群)にかかっていることを公表し、以後、活動を停止していたフランス系カナダ人歌手セリーヌ・ディオンがエッフェル塔内部に設けられた特設ステージでシャンソンの名曲「愛の賛歌」を熱唱したこと。

 (5)に関しては、ブラジルは世界最大のカトリック信者を有する国であり、性的指向に関しては保守的な傾向が強かった。しかし、近年は多様な性的指向を認める考え方が強まっており、概ね好意的な評価だった。(6)については、「フランス以外の国からもスーパースターを呼び、世界中のスポーツファンを楽しませた」と評価された。