【日本ハム】山崎福也“新庄野球”の大胆さ乗せられ8勝目「日々野球を楽しませてもらっている」

AI要約

日本ハム山崎福也投手が新庄監督の大胆な采配に乗せられて8勝目を挙げた。

山崎投手は過去の失敗を踏まえ、相手打線を緩急を使った投球で封じ、チームを勝利に導いた。

山崎投手は今季初めてのロッテ戦で奇策を生かし、8回途中まで1失点の快投を見せた。

<日本ハム4-1ロッテ>◇14日◇エスコンフィールド

 日本ハム山崎福也投手(31)が“新庄野球”に乗せられて8勝目を挙げた。1回に失策絡みで先制点を許したが、2回に新庄監督が連続スクイズを仕掛けてチームは勝ち越しに成功。指揮官の大胆な采配に刺激を受けて、今季初めて対戦したロッテ打線を相手に緩急を使った投球で試合をつくった。8回途中まで1失点(自責0)の快投で8勝目。チームを6年ぶりのロッテ戦シーズン勝ち越しに導き、2位に再浮上させた。

    ◇   ◇   ◇

 激アツの展開に、山崎の気持ちも一層高まった。ベンチで見ていた2回の攻撃。「2回連続でスクイズをやった。本当に今日は勝ちにいっているなと強い気持ちがチームから伝わった」。新庄監督が昨年6月のロッテ戦で見破られた作戦でリベンジを果たして勝ち越した。「何としてでも、今日は絶対に抑えてやるという気持ちで、ずっと投げていました」。FA左腕の責任感に、火が付いた。

 直後の3回。先頭の2番藤原に中前打を許したが、相手のクリーンアップを打ち取り「ズルズルと引きずらずによかった」。試合の流れを引き寄せた3回の投球は、自身の苦い経験も踏まえた、大事なイニングだと気合が入っていた。

 オリックス時代の22年7月3日の日本ハム戦。先発した山崎は、この日と同じ2回に“新庄野球”で落とし穴にはまっていた。「一、三塁で(一塁走者の)石井一成が転んだふりをして…」。一塁けん制を誘われた間に三塁走者の松本剛に生還され、試合の流れも失った。

 当時を振り返って「独特と言いますか、ハマってしまったら持っていかれちゃうイメージのチームではあった」。今は、そのチームの一員として躍動する。「そういうチームに入れて楽しいというか、日々野球を楽しませてもらっている」。思わぬ奇策で手にした流れを離さない、8回途中まで1失点の快投だった。

 今季初めてのロッテ戦で「さちとら」コンビを組む伏見とは「自分らしい投球をしよう、と今日は寅威さんと話をして入った」。140キロ台中盤の直球を軸に100キロに満たないスローカーブなどで緩急をつける“自分の投球”も抜群だった。「9連戦、なるべく長いイニングっていうのは頭にありましたし、今日は良かったです」。奇策を勝利で終わらせる快投でチームは9連戦の折り返し地点で4勝1敗。試合後の福也スマイルが充実感を漂わせた。【木下大輔】