【甲子園】甲子園で群馬大会ベンチ外の3年生左腕が投げる裏には涙も 健大高崎は杉山優哉が先発

AI要約

健大高崎は甲子園での春夏連覇を目指し、最速145キロ左腕の杉山優哉投手が先発する。

3年生が甲子園で初めて登板する健大高崎は、春夏連覇へ向けてチーム全体が一丸となって準備を進めている。

指揮官の方針やチーム内の競争がチームを鼓舞し、健大高崎は3年生全員の力を結集して智弁学園との試合に臨む。

【甲子園】甲子園で群馬大会ベンチ外の3年生左腕が投げる裏には涙も 健大高崎は杉山優哉が先発

<全国高校野球選手権:健大高崎-智弁学園>◇2回戦◇14日◇甲子園

 甲子園春夏連覇を目指す健大高崎(群馬)は背番号18を付ける最速145キロ左腕、杉山優哉投手(3年)が先発する。

 今春センバツでは5試合全てを2年生投手のみで投げ抜いての優勝。今大会も初戦の英明(香川)戦は2年生リレーで勝利しており、このチームで3年生が甲子園で登板するのは初めてとなる。

 杉山は群馬大会ではベンチを外れたものの、この甲子園からベンチ入りした。5月になってチームが緩み始め、箱山遥人主将(3年)が「メンバー外も含めて3年生全員が全て同じ練習をする」ことを指導陣に涙ながらに直訴。「監督も部長もコーチも、いつも選手ファーストで考えてくださるので」(箱山)と、箱山の希望が採り入れられ、そこから一気にムードが高まった経緯がある。

 投手、野手の別があるとはいえ3年生28人が同じ流れで動くことになり、杉山も「(メンバー入りが)無理だなとか思っている選手もいたので、そういう選手がもっとアピールできるように頑張ろうっていう気持ちになって、全員でできたと思います」と振り返る。

 青柳博文監督(52)は練習フルメニュー参加を決めただけでなく「もし甲子園に行けたらメンバーを2人入れ替える」とも予告し、群馬大会中もチーム内で紅白戦を活発に行った。「杉山もそこで結果を残してくれた選手の1人です」と説明する。

 春夏連覇への道は険しく、青柳監督は「(石垣、下重の)投手2人だけでは勝てない。3年生たちからも杉山の声はあがっていましたし、私も一昨日くらいから考えていました」と話す。前日13日も指揮官が真後ろで見守る中、ブルペンで力強い直球を投げ込んでいた左腕は、智弁学園(奈良)相手にどこまで投げられるか。「3年生全員で」がキーワードになる健大高崎の夏。その象徴として、朝一番のマウンドへ上がる。