17歳、玉井陸斗が快挙!男子高飛び込みで日本人初の銀メダル獲得「一言で言ったら奇跡」の天才少年が偉業…パリ五輪

AI要約

17歳の玉井陸斗が男子高飛び込みで銀メダルを獲得、日本飛び込み界に初めてのメダルをもたらす快挙を成し遂げた。

才能豊かな玉井は馬淵崇英コーチの指導のもと、猛練習を経て世界で成功を収めた。

過去に東京五輪にも出場し、世界選手権で銀メダルを獲得した玉井は、成長を続ける17歳としてさらなる活躍が期待される。

17歳、玉井陸斗が快挙!男子高飛び込みで日本人初の銀メダル獲得「一言で言ったら奇跡」の天才少年が偉業…パリ五輪

◆パリ五輪 第16日 ▽飛び込み(10日、アクアティクスセンター)

 男子高飛び込みで、2大会連続出場の17歳、玉井陸斗(JSS宝塚)が銀メダル。日本飛び込み界では、1920年のアントワープ大会への初参加から初めてメダル獲得の快挙を成し遂げた。

 準決勝3位で迎えた大勝負。玉井は、勝負どころに挙げていた2本目の207B(後ろ宙返り3回半えび型)で95・40点をマーク。続く109C(前宙返り4回半抱え型)も94・35点で、3本を終えて2位につけた。5本目にミスが出たが、最後の5255B(後ろ宙返り2回半2回半ひねりえび型)で締め、表彰台を決めた。

 天才少年の才能が、ついに世界で花開いた。小学1年から、JSS宝塚で始めた飛び込み。五輪6大会出場の寺内健さんらを育てた名将・馬淵崇英コーチは、玉井の体のバランスや競技に取り組む姿勢を見て「男子で勝負できる選手が出てきた。この人は、絶対に逃さない」と目をつけた。小学校高学年からトップチームに引きあげ、「地獄」という中国・上海での合宿にも参加。長ければ最長3か月、1日平均で8時間という猛練習を課し「必死についていくだけ」の中、その才能に磨きをかけた。

 今ではシックスパック割れた腹筋、体幹の強さは生まれ持ったもの。通常は、高校生の体格でなければ習得できないという技も、玉井は小学生できれいにきめていた。「陸斗は何もかも、簡単に淡々と。合宿のつらさも、今までの選手と比べたら半分もないくらい」と馬淵コーチ。日本飛び込み界の第一人者・寺内さんをして「僕は凡人。陸斗は天才」と言わしめる。12歳だった中学1年生、史上最年少で日本室内選手権を制覇。以降、馬淵コーチが導く五輪メダルまでのロードマップを、努力を重ね歩んで来た。

 14歳で初出場した東京五輪は、21年ぶりの入賞となる7位。世界を経験し、メダルへの道筋が見えた。22年の世界選手権(ブダペスト)で男子初の銀メダルを獲得すると、今季は4月のW杯スーパーファイナルで531・55点、国際大会での自己ベストをマークして2位。東京から3年、心身共にたくましさを増し、五輪に戻ってきた。決して競技環境が整っている訳ではない中、成長を続ける17歳。馬淵氏が「一言で言えば、奇跡」という飛び込みの申し子が、世界への新たな扉を開いた。

 ◆玉井 陸斗(たまい・りくと)2006年9月11日、兵庫・宝塚市生まれ。17歳。3歳で水泳、小学1年から飛び込みを始める。シニアデビューとなった19年4月の日本室内選手権で史上最年少優勝。21年東京五輪男子高飛び込み7位で21年ぶりの入賞を果たし、22年世界選手権で日本史上最年少、過去最高位の銀メダル獲得。160センチ、55キロ。家族は両親と兄。