快挙の裏に脚がつりかける危機…6位入賞赤崎暁を救ったのは昨夏激走の九州ランナーおすすめのバナナ「最後つらずにすんだ」 男子マラソン【パリ五輪】

AI要約

赤崎暁がパリ五輪男子マラソンで6位入賞し自己ベストの2時間7分32秒を記録

山下一貴からの助言を受けてバナナを食べ、最後まで踏ん張った赤崎

赤崎は熊本県大津町出身で、金栗四三氏以来の熊本出身の五輪マラソン代表となった

快挙の裏に脚がつりかける危機…6位入賞赤崎暁を救ったのは昨夏激走の九州ランナーおすすめのバナナ「最後つらずにすんだ」 男子マラソン【パリ五輪】

 ◆パリ五輪・男子マラソン(10日、パリ市庁舎前~アンバリッド 42.195キロ)

 昨年の代表選考会「マラソングランドチャンピオンシップ(MGC)」2位で初出場の赤崎暁(九電工)=熊本県大津町出身=が日本勢最高の6位入賞と大健闘の走りを見せ「人生で一番楽しいレースでした」と満面の笑みを浮かべた。タイムも自己ベストの2時間7分32秒をマークした。

 同じ九州で切磋琢磨(せっさたくま)するランナーの助言もあった。昨年の世界選手権で上位に食らいつき、後半に失速したものの、印象的な走りを見せた山下一貴(三菱重工)=長崎市出身=と連絡を取り合っており「前日に『(脚が)つらないようにバナナを食っとけよ』って言われたんで。昨日の夜ときょうの朝ごはんにはバナナを食べた。山下のおかげで最後つらずにすんだのかなと思ってます」と笑った。

 前方集団で様子をうかがいながら、25キロ付近で首位に立った。しばらく先頭集団をけん引するなど、攻めの走りを見せた。30キロ手前の急激な坂で下がったものの、踏ん張って上位をキープ。アンバリッドを背にして直線となるゴールに戻ってきた際には笑顔を見せ、両手で力強くガッツポーズを繰り出した。

 熊本県大津町出身。大津中ではバレーボール部に所属していた。1年時に町内の長距離レースに出場した際、陸上部の全員に勝ったことで競技に勧誘された。「こちらの方が才能が開花するかもしれない」。熊本・開新高で本格的に陸上の道を選択した。全国高校総体や全国高校駅伝への出場はなかったものの拓殖大に進学して力をつけ、九電工で飛躍した。

 熊本からの五輪マラソン代表は「日本マラソンの父」と言われた金栗四三氏以来100年ぶりだった。100年前の金栗氏は途中棄権となっており、その分も花の都の石畳を走りきった。「100年ぶりということで、多少のプレッシャーはこの3カ月間あったんですけど、自分のやりたいようにやろうって思ったので、いつも通りのことを心がけてやってこられた」と満足そうにうなずいた。

 ◆赤崎 暁(あかさき・あきら)1998年1月21日生まれ。熊本県大津町出身。26歳。熊本・開新高入学後、本格的に競技に取り組んだ。拓大から九電工に進み、2度目のマラソンだった22年12月の福岡国際で2時間9分1秒で8位に入った。昨年のMGCは2位。五輪は初出場。

【#OTTOパリ五輪情報】