大谷「50-50」狂騒に覆われた得点圏打率0割台…米メディアからはプレーオフを不安視する声も

AI要約

大谷翔平のメジャーでのパフォーマンスが「50-50」達成に向けて注目されている一方、得点圏での打撃に課題が残る状況が続いている。

チームは首位を維持しているものの、投手陣の故障者が相次ぐ中、プレーオフ進出後の戦いに対する不安も表面化している。

大谷は特大の一発を放つなど、成績の向上に努めているが、周囲の期待やチームの状況が重圧となり、取り組みに影響を与えている可能性もある。

大谷「50-50」狂騒に覆われた得点圏打率0割台…米メディアからはプレーオフを不安視する声も

 日本のメディアは、ドジャースの大谷翔平(30)による「50-50」(50本塁打、50盗塁)に関する話題で持ち切りだ。

 すでにメジャー史上初の「45-45」を達成。このままのペースで行けば、今月下旬に「50-50」に到達する。メジャーで誰も成し遂げていない偉業に期待は高まるばかりだ。

 そんな「50-50」の狂騒のウラで、最近の大谷のパフォーマンスは、明らかに「らしくない」状態が続いている。

 8月は、中旬ごろまで打率1割台に低迷。下旬に安打、本塁打と盗塁を量産し、両リーグ最多の12本塁打、15盗塁をマークしたとはいえ、打率.230、得点圏打率.095、出塁率.290などは月別で最低の数字にとどまった。

 9月はさらに深刻で、日本時間8日現在、打率.207、2本塁打、4打点、3盗塁、出塁率.273、OPS.755。得点圏打率に至っては.000と、好機で全く打っていないのだ。

 シーズンのトータルでは本塁打、得点、OPSなどでリーグトップに立っているものの、8日のガーディアンズ戦は4打数無安打ながらチームは7-2で快勝したように、打つのは勝敗とは関係ない場面なのも珍しくない。主力のベッツ(得点圏打率.377)や、右手中指を骨折しながら出場を続けるフリーマン(同.297)らが、大谷の「チャンスでの弱さ」をカバーし、偉業達成をアシストしているのが現状だ。現地特派員が言う。

「ロバーツ監督は8月、大谷の得点圏での打撃に対し、『スイングが大きく見える。力んでいるのではないか。1点が欲しい場面で必要なのは外野フライで、本塁打ではない』と話していた。2ストライクに追い込まれてからバットを少し短く持って適時打を放ったこともありますが、記録達成を意識してスイングが大きくなったり、かねて得点圏で打てていないことで、気負いもあるはずです。まして大谷は、エンゼルス時代には一度も経験することができなかった『ヒリヒリする9月』を迎えている。8日のガーディアンズ戦は本塁打性の当たりを2度放ちましたが、右翼ポールすれすれの特大ファウルと、フェンス手前で失速した左飛。これまで経験したことがないヒリヒリした状況に気がはやり、打撃に力みやズレが生じている可能性はある。周囲が『50-50』達成を期待していることも、気負いの要因になるでしょう」

 そんな中、ドジャースは8日現在、142試合で85勝57敗でナ・リーグ西地区首位。2位パドレスに5ゲーム差をつけ、12年連続のプレーオフ進出はもちろん、3年連続の地区優勝を射程圏に入れている。

 が、米メディアではその先のプレーオフの戦いを不安視する声が少なくない。前出の特派員が続ける。

「何しろ昨季と同様、ケガ人が多いですからね。深刻なのは先発投手。日本時間7日にはチーム最多の11勝をマークするストーンが右肩の炎症で15日間の負傷者リスト(IL)入りし、これでグラスノーら開幕ローテ入りした全ての投手がIL入りする異常事態に陥りました。今季途中にトレードで獲得したフラハティらが穴を埋め、山本由伸が日本時間11日に復帰する予定ですが、先発陣の故障者続出はリリーフ陣に負担を強いている。ドジャースは昨季も投手陣の故障者が相次ぎ、レギュラーシーズンで独走Vを果たしながら、地区シリーズでダイヤモンドバックスに3連敗を喫した。『今季もプレーオフで敗退するようなら、ロバーツ監督の解任は必至』と報じる米メディアもある。終わってみれば、大谷の偉業達成に沸いただけのシーズンになりかねません」

 その大谷は日本時間9日のガーディアンズ戦で特大の一発を放った。