田中希実「必要な試練、幸せな時間だった」 陸上女子1500m敗退

AI要約

田中希実選手がパリ・オリンピック1500メートル準決勝で2大会連続の決勝進出を逃し、自己ベスト記録に挑む姿勢や苦しいレースを振り返りながら新たな気持ちを抱くことができた。

選手としての成長や挑戦の意義について語り、苦しみを乗り越え幸せな時間として受け止めたパリ五輪についても言及。

田中希実「必要な試練、幸せな時間だった」 陸上女子1500m敗退

 パリ・オリンピック第14日は8日、陸上女子1500メートル準決勝が行われ、2021年の東京五輪8位の田中希実選手(24)=ニューバランス=は3分59秒70で準決勝2組11位となり、2大会連続の決勝進出はならなかった。準決勝後の主な談話は以下の通り。

 <どんな気持ちでレースに臨んだか>

 予選から4分を切るようなレースになると思っていたので、そこに向かっていく気持ちだった。(お世話になった)多くの方の存在を思い出したおかげで、「自分だけの走りではなくて、皆の走りだ」ということを表現するために走ることができた。ただ、最後に出し切れたかというと、そこがやっぱり苦しい展開になってしまった。

 タイムの面でも順位でも予選は通れないものだったけど、本当に神様のいたずらと言いますか、(レース中に接触があったため救済されて準決勝に進み)もう1回機会を与えていただいた。決勝に挑むのをお見せできなかったのはすごく残念なんですけど、いつかもう1回(五輪の決勝に)立ってみせるという新たな気持ちを作れたレースだったかなと思います。

 <東京五輪での自己ベスト記録以来の3分59秒台>

 もう一度「4分を切ることが日本人にも可能なんだ」と、この場を借りてお見せすることができた。でも、ただ「日本人でも4分を切れる」とかではなく、今日のレースを見ても分かるように、4分を切るという問題ではなく、どの選手も「1秒でも早く前に」ということしか見ていない。タイムだけではなく、中身の詰まったレースが今日はあったと思う。そういったレースに、自分が最後の100メートルまで絡めるような姿を見せたいと思いました。ただ、そういった中で(4分を切る)タイムを出すことはできたのは、自分の中では大きな一歩だったかなと思います。

 <パリ五輪はどんな大会だったか>

 苦しい時間が思ったより長い大会になってしまった。自分のやってきたことを出すにしても、(予選敗退だった)5000メートルでできなかったので。でも、それは私にとって今回必要な時間、必要な試練だった。ただ苦しいだけではなく、理不尽な苦しみではなく、私に与えられるべくして与えられた、本当に幸せな時間だった。そういった時間を味わえたことがとてもうれしいです。