早田ひなは満身創痍、張本美和は初出場だからこそ…シングルスに泣いた平野美宇(24歳)が“団体金メダル”のカギを握る「納得の理由」

AI要約

早田ひなが故障を抱えながら銅メダル獲得、平野美宇はベスト8で女子団体戦に備える。

平野が死闘の激戦でマッチポイントを逃し残念な敗北。

平野とコーチが試合映像を振り返り、次戦に向け課題を洗い出す。

早田ひなは満身創痍、張本美和は初出場だからこそ…シングルスに泣いた平野美宇(24歳)が“団体金メダル”のカギを握る「納得の理由」

 パリ五輪卓球の女子シングルスで日本のエース早田ひなが、利き腕に故障を抱えながら銅メダルに輝いた。卓球競技のメダルはこれが第1号。

 その一方で女子シングルスをベスト8で終えた平野美宇は、8月5日に始まる女子団体戦に向け着々と準備を進めている。

 1日に行われた女子シングルス準々決勝のシン・ユビン(韓国)戦は死闘と呼ぶに相応しい激戦だった。

 とりわけ、7ゲームマッチで先に3ゲームを奪われてからゲームカウント3-3に追いついた平野の巻き返しは驚異的で、最終ゲームは勢いに乗る平野に流れがあった。

 実際、先にマッチポイントを握ったのは平野。しかし、10-9と11-10の2度のマッチポイントを決め切れず、逆に2度のピンチを凌いだシンが11-13で勝利を決めた。

 世界ランク8位のシンと同13位の平野は実力伯仲。その相手をあそこまで追い詰めながら、なぜ勝ち切れなかったのか。第4ゲーム以降のプレーをもっと早い段階で出すことはできなかったのか。

 文字通り「あと1点に泣いた」平野は悔し涙に濡れながら会場を去った後すぐさま、ベンチに入った張成コーチとスタンドで戦況を見守った中澤鋭コーチとともに試合の映像を見返し課題の洗い出しに取りかかった。

 めそめそしてはいられない。4日後には女子団体1回戦のポーランド戦が控えていた。

 チーム平野はまず、シンに先制された第1ゲームについて、緩いボールで平野のペースを崩そうとしてきた相手に対し、平野が様子を見過ぎて攻撃のタイミングを逸してしまったことを反省した。

 相手の執拗なミドル攻めに対しミスが出た第2ゲームには、「後半に何本も打っていた回り込みフォアハンドを使って流れを変えるべきだった」と中澤コーチ。

 そして、怒とうの3ゲーム連取で迎えた最終ゲームは2度のマッチポイントで放ったチキータレシーブの選択が悔やまれた。

 チキータレシーブは平野の得意技のひとつ。攻める気持ちを前面に押し出した結果ではあるが、最初のマッチポイント10-9の場面、シンがチキータ封じを狙って出してきた下回転のサーブに対し平野のチキータレシーブがネットにかかった。