バレー日本が米国に徹底的に狙われた「石川潰し」 監督の判断奏功「第3セットが選手の自信に」【加藤陽一の目】

AI要約

米国の「石川潰し」作戦により、日本代表は序盤から苦しい展開となる。石川選手を徹底的に狙われ、リズムを失うが、監督の決断で形勢を挽回。緩急をつけたサーブが効果を発揮し、勝利につながる。

相手チームが日本代表を研究し、石川選手に対する戦術を展開。ブラン監督の素早い判断が試合の流れを変える要因となる。

チームのリーダーである石川選手を外す決断により、日本代表は新たな展開を見せる。緩急をつけたサーブが相手チームを圧倒し、勝利へと導く。

バレー日本が米国に徹底的に狙われた「石川潰し」 監督の判断奏功「第3セットが選手の自信に」【加藤陽一の目】

 スポーツ文化・育成&総合ニュースサイト「THE ANSWER」はパリ五輪期間中、「シン・オリンピックのミカタ」と題した特集を連日展開。これまでの五輪で好評だった「オリンピックのミカタ」をスケールアップさせ、4年に一度のスポーツの祭典だから五輪を観る人も、もっと楽しみ、もっと学べる“新たな見方”をさまざまな角度から伝えていく。「社会の縮図」とも言われるスポーツの魅力や価値の理解が世の中に広がり、スポーツの未来がより明るくなることを願って――。

 大会期間中、各競技のスペシャリストによる試合解説を随時展開する。今回は男子バレーボール。1次リーグC組が2日に行われ、世界ランク3位の日本が同5位米国に(16-25、18-25、25-18、19-25)で敗れ、グループ1勝2敗となったが、準々決勝進出は確定。この試合を元日本代表主将・加藤陽一氏が分析する。立ち上がりから主導権を握られた要因に米国の「石川潰し」を指摘。それでも、石川祐希を下げた監督の決断と第3セットの内容を評価した。(取材・構成=荻島 弘一)

 ◇ ◇ ◇

 米国の「石川潰し」が見事にはまりました。石川選手は序盤から徹底的に狙われていました。サーブレシーブが乱れて攻撃の選択の幅が狭くなったところをブロックで狙われる。そういう展開で、差を広げられました。第2セットまで、相手に好き放題にやられた感じでした。

 相手は日本を研究していましたね。石川選手に関しては、日本代表だけでなく、ミラノの試合も分析していたはず。その中で、彼の代表での役回り、キャプテンシーまで考えて「石川潰し」をしたのです。「石川を潰せば、日本も潰れる」というように。

 石川選手を狙われて、日本はリズムを失いました。あのままの状態が続けば、ストレート負けしていたでしょう。そこで、ブラン監督は第3セットの頭から石川選手を外します。これが、成功しました。

 キャプテンですし、チームの顔、こういう選手を外すのには大きな決断が必要です。しかし、ブラン監督は素早く動いた。この決断力、行動力は見事でした。米国は潰す相手がいなくなって、次の手を打つまで時間がかかった。そこを突いたのが第3セットの日本でした。

 効いたのは緩急をつけたサーブ。強さだけでなく、しっかりコースを狙っていました。狙いはラッセル選手の前。スパイクに助走が必要なタイプの選手ですから、前にサーブを打ってとらせればスパイクを打てなくなる。相手の攻撃の幅を狭くし、ブロックのターゲットが絞りやすくなる。これがはまって、先行することができました。