日本高野連、『7イニング制』のワーキンググループ設置「広い視点で検討していく」

AI要約

日本高校野球連盟は7イニング制導入を検討するためのワーキンググループを設置した。少子化や地域移行など様々な要因が考慮されている。

海外の高校野球では7イニング制が一般的で、導入の可否を議論するためのWGが活動中。議論は賛否両論がある。

WGメンバーには日本代表監督やスポーツ科学の専門家などが参加。来年の理事会で報告される予定。

 日本高校野球連盟は2日、「7イニング制」を検討するために、ワーキンググループ(WG)を設置したことを明らかにした。導入のメリットとデメリットの整理や、諸外国での実施状況の分析を進めていく予定。その内容をもとにして、理事会で導入の可否を議論していく。同日にオンラインで開いた理事会でこの案件を承認した後、発表した。12月に予定される理事会でWGの整理した内容が報告される。

 通常「9イニング制」の野球で、米国など諸外国の高校世代では「7イニング制」が導入されている。通常よりも2イニング少ない「7イニング制」を検討する理由は、深刻になっている少子化や中学校部活動の地域への移行などによって見込まれる部員数の減少のほか、気候変動の影響など社会環境の変化、選手の健康面への配慮などが挙げられる。日本高野連は「広い視点で日本の高校野球に資するか否かを検討していく」とした。

 WGのメンバーは日本高野連の北村雅敏副会長を座長に、U18高校日本代表の小倉全由監督、海老久美子理事(立命大スポーツ健康科学部教授)、井本亘事務局長ら11人。

 日本高野連の調べによると、U18カテゴリーで9イニング制を採用しているのはメキシコ、パナマ、プエルトリコ。7イニング制はコロンビア、ベネズエラ、ブラジル、キューバ、ニカラグア、ドミニカ共和国、アメリカ、台湾、オーストラリア、韓国となっている。

 これから議論を重ねていくことになる「7イニング制」については高校野球関係者の間で賛否両論があるそうで、ある関係者は「反対のほうが多い」と話した。