「結局、純也くんが…」スタッド・ランス、中村敬斗が吐露した本音。先輩よりも存在感を放つために「自分はもう…」【コラム】

AI要約

スタッド・ランスはFC町田ゼルビア戦で2-0で勝利し、中村敬斗はフランスでの2シーズン目に向けて覚悟を示した。

スタッド・ランスは直近の試合で未勝利だったが、FC町田ゼルビア戦では攻撃陣が連携し、伊東のスピードと中村の仕掛けが活かされた。

中村は自身のプレーに関して反省しつつも、サイドハーフとしての役割を果たし、チームの攻撃に貢献した。

「結局、純也くんが…」スタッド・ランス、中村敬斗が吐露した本音。先輩よりも存在感を放つために「自分はもう…」【コラム】

 MACHIDA City Cup 2024(町田シティカップ2024)という名で町田GIONスタジアムを舞台に開催されたFC町田ゼルビア対スタッド・ランスの一戦は0-2でスタッド・ランスが勝利した。この試合に出場した中村敬斗は、迫るフランスでの2シーズン目に向け、覚悟をもっている。(取材・文:元川悦子)

 7月22日に来日し、24日のジュビロ磐田戦(ヤマハスタジアム)、27日の清水エスパルス戦(IAIスタジアム日本平)の2試合を消化したスタッド・ランス。しかし、その2試合は1-1、0-3と未勝利。特に後者に関しては、今季から指揮を執るルカ・エルスネル監督も不甲斐ない戦いに怒り心頭で、チーム最年長の伊東純也も「さすがに1勝もしないで帰るのはちょっと…。言い訳なしに勝たなきゃいけない」と危機感を募らせていた。

 それから中3日で迎えた31日のFC町田ゼルビア戦(町田GIONスタジアム)。キャンプ地・静岡からの移動に加え、直前のゲリラ豪雨によってキックオフが30分後倒しになるというアクシデントに見舞われたが、彼らのコンディションは明らかによくなっていた。

 清水戦では4-2-1-3をベースにしつつも、選手たちが流動的にポジションを入れ替えたのが災いしたのか、逆に規律とコンビネーション連係を欠いたが、今回は基本的にそれぞれの選手が自分の持ち場でプレー。

 攻撃陣に関しては右の伊東、左の中村敬斗を起点に、前線のウマル・ディアキテ(22番)、キャプテンマークを巻いたマーシャル・ムネツィ(15番)、ボランチの司令塔であるテディ・テウマ(10番)がいい距離感を保ちつつ、連携しながら攻撃を組み立てていった。

 右の伊東が持ち前のスピードと推進力で引っ張る中、中村も前回よりは外に張ってボールを受け、思い切った仕掛けを見せる意識を鮮明にしていた。

「中に入ってボールを受けて、逆サイドに展開してクロスに入っていく形をチームとしてやろうとしているんですけど、自分が中で持っても詰まっちゃうことが多くて、ビルドアップでうまく形を作れていない」と清水戦後の中村は苦渋の表情を浮かべていた。

 しかし今回は「もうちょっと外に張っていいという感じになったんで、自分もサイドハーフとしてやりやすかった。うまく10番のテディと左サイドバック(SB)の18番(セルヒオ・アキエメ)と絡めた」と前向きに発言。

 伊東から大きなサイドチェンジを受けて、三菱養和SCユース時代の1つ後輩に当たる望月ヘンリー海輝に対してドリブルで仕掛けた18分のシーンのように、何度か見せ場も作ることもできていた。

 チームもコンディション・戦術理解の両面で改善が見られ、29分には伊東が凄まじいスピードでDF杉岡大暉の裏を取り、ディアキテの先制点をお膳立て。早い時間帯に1点をリードすることに成功する。

 後半も彼ら主力組はプレーを続行。テウマが左サイドの攻めを増やそうと仕向けたこともあり、中村がボールを持つ回数が増え、より得点の匂いも感じられた。だが、54分の中央からのFKをフカしてしまうなど、背番号17はネットを揺らせないまま、69分分にベンチに退くことになった。