3回戦敗退の江村美咲 「一番悪い時の癖が出てしまった」大会直前に太腿も痛めていた
江村美咲がフェンシング女子サーブル個人でメダルの可能性を失い、試合中の課題や団体戦への期待を語る
江村は自分のフェンシングに満足しておらず、自らの課題として動けない部分を指摘
団体戦に向けて立て直す決意を示し、自身の不満や不安を抱えつつも、ファンに魅力的な試合を届けたいという強い気持ちを表明
◇パリ五輪第4日 フェンシング 女子サーブル個人(2024年7月29日 グランパレ)
フェンシング女子サーブル個人が29日、グランパレで行われ、世界選手権2連覇中の江村美咲(25=立飛ホールディングス)は3回戦で崔世彬(23=韓国)に7―15で敗れ、メダルの可能性が消えた。
初戦の2回戦でオレナ・クラバツカ(32=ウクライナ)に15―14と薄氷の勝利を収めた江村は続く3回戦でも崔世彬に苦戦した。
序盤は一進一退の展開だったが、3―3から5連続失点でリードを許すと、その後も差を詰められなかった。
試合後の江村との主な一問一答は以下のとおり。
――終わってみて。
「まずホントに、結果はもちろんですけど、自分のフェンシングとして…(言葉に詰まる)。何かもっと、応援してくださった方々にいい試合を届けたかった。。今日は完全に自分のフェンシングじゃなかったし、自分の弱いところ、悪いところが全部出てしまって、試合中にコントロールできなかった」
――悪かった部分。
「1試合目から取り急ぎが目立って、2試合目までに修正したかったけどできなくて、足ももっと動かして戦わなければいけなかったけど足が止まって、それが何でかは自分でも分かっていない」
――コンディションは。
「特にケガもなく、コンディションはいつも通りだったと感じてました」
――五輪は世界選手権と違ったか。
「舞台の問題ではなく、自分の弱さの問題と感じてます」
――昨年の世界選手権では立て直した。
「世界選手権と比べると分からないけど、東京と比べると、初の五輪というのもありましたし今までにない緊張感だったけど、今回は緊張はしたけど東京と比べるとリラックスして挑めたと思う。それが相手に対する苦手意識とか、思ったように体がついてこない部分で、気持ちももう1個入れることができなかった」
――選手団旗手でメダルも期待されていた。プレッシャーは
「候補に上げていただいたが、かなり近いかと言われるとそうなのかとチャレンジャーの気持ちでしたし、それが負担になったとは思っていない」
――コーチと試合中の修正は
「もっとピスト全体を使って動けと言われていて、自分もそのプランでやっていこうと思っていたのに、動かなきゃいけないところで足が止まって、手で対応して、自分の一番悪い時の癖が出てしまった」
――団体戦へ修正は可能か。
「足が動かなかったのはなぜか今でもピンと来ていない。何とか理由が分かればもっといい試合ができると思う」
――試合中に動かさないとと?
「まだ仕掛ける時じゃないとか、ここは動くところだと分かっているのに、うまくいかなかったです」
――合宿の準備は
「予定どおりではなくて、ちょっと軽いハプニングとかあったけど、全然試合に間に合わせて調整できたと思ってました」
――ハプニングとは
「ちょっと軽い、ケガ手前ぐらいの痛みがあって。最後にもっと詰めて練習できるかなと思っていたけど、休まざるを得なかった。ハプニングはあったけど、今日までそれを引きずっていたとは思わないです。痛めたのは足?太腿です」
――支えていた方へ
「本当にたくさんの肩に支えていただいてここに立てて、期待もしてくださって、胸を張ってお礼を言える試合をしたいというのが一番強い気持ちだったので、その部分で本当に情けない気持ちです」
――団体戦がまだある
「もちろん個人戦の感触がよくなかったので不安な気持ち、ここからどれだけ立て直していけるのかという気持ちはあるけど、そこが今回の五輪の最後の、本当に自分を応援してくださってる方へ届けられるフェンシングになるので、できる限り最大限できることをして、次こそ自分らしい良いフェンシングがしたい」
――楽しみたいとも話していた
「楽しむまでいけずに、自分が思い通りに動けない部分で、もどかしさを感じながらやってました」