【柔道】谷亮子さんが敗退阿部詩にエール「負けたこともきっと良い経験に」分かれ目は紙一重

AI要約

阿部一二三選手の強さと金メダル獲得への自信

阿部詩選手の敗退と今後への期待

谷亮子特別コメンテーターのエールと今後の展望

<パリオリンピック(五輪):柔道>◇28日◇女子52キロ級2回戦◇シャンドマルス・アリーナ

 オリンピック(五輪)5大会連続メダリストで、日刊スポーツ特別コメンテーターを務める谷亮子さん(48)が男子66キロ級で日本柔道8人目となる五輪2連覇を達成した阿部一二三(26=パーク24)の強さを分析した。まさかの2回戦敗退を喫した女子52キロ級の阿部詩(24=同)にはエールを送った。

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 1枚の写真を見て、阿部一二三選手の金メダルを確信していました。ちょうど試合の1週間前です。背筋の写真を披露していました。鋼が入ったような広背筋。対戦相手も驚異的に感じるほど完璧に仕上がっていたのです。

 特に注目したのは力こぶの反対側の上腕三頭筋でした。得意の投げ技、袖釣り込み腰に必要な大切な筋肉。相手を引きつけ、下に落とすときに重要な働きをします。そんな仕上がりの良さを示すように初戦から得意の袖釣り込み腰で相手を豪快に投げて合わせ技一本。試合前に妹の詩さんが負けた中で、動揺するどころか、投げ技の強さを見せつけて、圧倒的な強さで世界の頂点に駆け上がってくれました。

 5年間無敗だった詩さんが2回戦で敗れたことは残念でした。ただ勝敗の分かれ目は紙一重の世界。前回大会の金メダリストは研究を尽くされます。分析能力も進化し、世界のレベルも高まっています。パリ大会後も強力な選手が日本、そして世界でも増えてくるでしょう。詩さんといえども、スムーズに勝利を引き寄せることは簡単ではありません。

 今後については「落ち着いてから考えます」と話していたそうです。今回の五輪で負けたことも、きっと良い経験となると思います。まずはゆっくり休んで、リフレッシュを図ってほしい。金メダルを目指して、これまで頑張ってきたことは支えとなりますし、必ず糧になります。(日刊スポーツ特別コメンテーター・谷亮子)