阿部一二三、「妹の思いも背負って」達成した2連覇 同志あり、ライバルのような妹へ語った思い【パリオリンピック柔道】

AI要約

阿部一二三が男子66キロ級で金メダルを獲得し、2連覇を達成。

妹の詩は女子52キロ級で敗退し、兄弟同日連覇は叶わず。

一二三は妹の敗退後、金メダルを取る覚悟を決めて戦い、4年後のロサンゼルス五輪を目指す意向。

阿部一二三、「妹の思いも背負って」達成した2連覇 同志あり、ライバルのような妹へ語った思い【パリオリンピック柔道】

◇28日 パリ五輪 重賞男子66キロ級

 柔道の男子66キロ級で阿部一二三(26)=パーク24=が金メダルを獲得し、東京五輪に続いて2連覇を達成した。女子52キロ級で妹の詩(24)=パーク24=は2回戦敗退し、「きょうだい同日連覇」はかなわなかったが、「兄としてはもう一度同じ舞台に立って、一緒に金メダルを取りたい」と4年後への思いを語った。

 詩が2回戦で敗れた瞬間、一二三はウオーミングアップ会場のモニターで見ていた。試合のあらゆるシチュエーションを想定していたが、詩の早期敗退は予想外。「最初は信じられなかったし、僕自身も苦しかったし、悔しいし。いろんな感情があったが、それ以上に僕が金メダルをとらなくて誰が取るんだと。妹の思いも背負って最後まで戦い抜こうと覚悟を決めた」

 東京五輪まではどちらかといえば、詩のほうが順風満帆な競技人生を歩んでいた。若くして2018、19年の世界選手権の連覇、海外勢に48連勝していたことが評価されて、東京五輪代表に内定。一方で一二三も17、18年の世界選手権を制したトップ選手だったが、国内ライバルとの激しい争いを繰り広げた。丸山城志郎との「ワンマッチ」の末、柔道日本代表で最後に東京五輪の切符をつかんだ。「どちらかというと、僕がダメな時も妹が頑張っている姿を見て、僕も負けていられないと思っていた」と振り返る。

 4年後のロサンゼルス五輪までの道のりは、東京、パリまでとまた違ったものになりそうだ。「詩にはまたこれから前を向いて頑張っていこう、と伝えたい」。同志であり、ライバルのような関係の阿部きょうだい。道のりは違えど、きっとまた2人で歩みを進めるのだろう。