「針の穴を通すような至難の業を成功させようとしている」 カブスの『二兎を追う』トレード戦略、米メディア首かしげる

AI要約

カブスは内野手イサク・パレデスを獲得し、トレードで大胆に動いた。

カブスはポストシーズン進出の可能性が低い状況でも、今季の戦力強化に注力している。

パレデスは多彩な守備ポジションをこなし、チームに将来的な貢献が期待されている。

「針の穴を通すような至難の業を成功させようとしている」 カブスの『二兎を追う』トレード戦略、米メディア首かしげる

 カブスは28日(日本時間29日)、イサク・パレデス内野手(25)をレイズから獲得した。1対3のトレードで、レイズには交換要員として大砲クリストファー・モレル三塁手(25)と有望株2選手が移籍する。

 この日の敵地でのロイヤルズ戦は7―3で制し、2連勝。鈴木誠也外野手(29)は3打数無安打、1四球2三振で、4試合連続安打が途切れた。

 「二兎(にと)を追う」トレード戦略に、米メディアも首をかしげている。カブスは51勝56敗でナ中地区4位。ポストシーズン(PS)最後の椅子であるワイルドカード3位には5ゲーム差をつけられている。PS進出確率は、米ベースボール・レファレンスによれば4・7%。トレード期限を今月末に控え、来季以降を見据えて『売り手』になるというのが専らの見方だった。

 しかし、前日も2人の有望株を放出する見返りにブルージェイズから救援右腕・ネート・ピアソン(27)を獲得するなど逆に『買い手』となり、まだ今季のPSも諦めていないという構えだ。

 「カブスの動きは好奇心をそそる。ほぼポストシーズンには進めないと知りつつ、それなのに近い将来の戦力アップももくろむという針の穴を通すような至難の業を成功させようとしている」と米ヤフースポーツと報じている。

 米ブリーチャーリポートも「重要な点は、カブスがポストシーズンに進める確率は高くないことだ。厳密に言えば不可能ではないが、本物の『レンタル』獲得の引き金を引く可能性はほとんどない」とした。「レンタル」とは、本気でPS進出を狙うチームが、シーズン終了後にFAとなる大物を「3カ月間限定の即戦力」としてトレード獲得することだ。

 パレデスは今季打率2割4分5厘、16本塁打、55打点。バッテリーを除く内野の全ポジションをこなすことができ、「WAR(代替可能な選手に比べ、何勝を上積みできたかを示す評価指標)」2・4を誇る。

 特筆すべきは、パレデスがFA権を得るのは27年シーズン終了後で、ピアソンは26年シーズン終了後と、ともに数年先までチームに保有権があることだ。ホイヤー編成本部長は22日、「現時点を考慮すれば、来週までに大きな動き(長い連勝)がない場合、今季のためだけを考えた動きをすることはないだろう」とコメントしていた。(写真はAP)