「元は翔平みたいな二刀流だった」DeNAジャクソン投手が横浜でチャンスをつかめたわけは…「バウアーにも話を聞いた」研究熱心さとロン毛の理由

AI要約

アメリカ出身の投手、アンドレ・ジャクソンが横浜DeNAベイスターズに新たな力となって加入し、日本野球にアジャストする苦労や成長を語る。

ジャクソンは開幕当初はスランプに苦しみながらも、徐々に日本のストライクゾーンやバッターへのアプローチを理解し、成績を改善していった。

MLB時代の同僚であるトレバー・バウアーにもアドバイスを仰ぎ、着実に投手としての力をつけている。

「元は翔平みたいな二刀流だった」DeNAジャクソン投手が横浜でチャンスをつかめたわけは…「バウアーにも話を聞いた」研究熱心さとロン毛の理由

 今季のDeNAにとって、今永昇太、トレバー・バウアーという先発陣の穴を埋めることは大きな課題だった。アンソニー・ケイ、石田裕太郎らと並んでその役割を果たしている新戦力のひとりが、アンドレ・ジャクソン(28)だ。ド派手な長髪とヒゲで力投する姿でファンの心をつかむナイスガイが、意外なキャリアと日本での苦闘を語った。

 ワイルドな風貌と陽気なキャラクター。その一方で、知性を感じさせる明るくも思慮深い語り口調が印象的だ。

「わたしは野球のすべてを経験したいと思っているんだ。アメリカでの日々や、ここ横浜でプレーすること。この先、どこまで野球をやることができるかわからないけど、多くのことを知りたいと思っているよ」

 横浜DeNAベイスターズに今季加入したアンドレ・ジャクソンは、クールな瞳でそう語った。

 後半戦スタートとなった7月26日の巨人戦(横浜スタジアム)、この大事な試合でジャクソンは、先発を任された。

 1週間前のヤクルト戦(神宮球場)で熱中症により緊急降板し、コンディション面での不安が懸念されたが、7回まで2失点の好投を見せた。しかし同点の8回表、無死からヒットとフォアボールでランナーを出すとマウンドを降り後続の投手に託したが、粘れずヒットを浴び失点。ジャクソンは力投むなしく負け投手となった。試合後「全体的には良かったが、イニング途中で降板となりすごく悔しい」と語っている。

 今季はここまで16試合に先発し4勝6敗、防御率3.55。一見、助っ人外国人投手としてはずば抜けたスタッツではないが、それでも開幕当初は制球が定まらず大量失点し7.90まで跳ね上がった防御率を、徐々に日本野球にアジャストして下げていった。特に6月は4試合に登板して1.01という防御率で収め、チームから信頼を得ている。

 開幕当初のことをジャクソンは振り返る。

「あのときは感覚がなかなか掴めず、ストライクゾーンで攻めることができず苦労しました。また、マウンドの違いやバッターのアプローチの違いに苦しみましたが、登板するごとに学びや気づいたことがあったので、それを繋ぎ合わせ、積み上げていくことで徐々に良くなっていったという感覚があります」

 特にアメリカとの違いを感じたのはストライクゾーンだという。

「アメリカのストライクゾーンのイメージは高低に広いということ。逆に日本は、高低が狭く、左右にワイドといったイメージがあります。アメリカのバッターは低めのボールをすくい上げて角度をつけるのが上手いので、スイングの軌道に対し高めの真っすぐを投げることが重要になります。しかし逆に日本のバッターは高めのボールを打つのが上手い。そういったことを理解すれば、あとは小さなアジャストだったと思います」

 いかに日本の野球に対応すべきか。自ら考察を深め、またMLBロサンゼルス・ドジャース時代に同僚だったトレバー・バウアーに球団の飯澤龍太通訳を介し連絡をしてアドバイスをもらった。