国学院栃木、甲子園へ返り咲きならず 伝統の超攻撃的野球は継承

AI要約

石橋9―8国学院栃木の激しい決勝戦で、国学院栃木は2年ぶりの頂点を逃す悔しさを味わう。選手たちは苦悩し、監督は責任を感じる。

国学院栃木は石橋との勝負を予想通り点の取り合いと見込み、好スタートを切るが勢いを維持できずに逆転される。

チームは攻撃力と機動力を武器に最後まで諦めず、甲子園への憧れを自負するものの、逆転劇を許してしまう。

国学院栃木、甲子園へ返り咲きならず 伝統の超攻撃的野球は継承

(28日、第106回全国高校野球選手権栃木大会決勝 石橋9―8国学院栃木)

 あと一歩で2年ぶりの頂点を逃した国学院栃木の選手たちは、グラウンドに伏したまましばらく動けなかった。三浦純監督は「選手たちはよく打ってくれた。(負けは)すべて私の責任」と顔をぬぐった。

 両校は今年、春季県大会の準々決勝で対戦。国学院栃木は5―4で競り勝っている。今回も「点の取り合いになる」(三浦監督)とみていた。

 予想通り、国学院栃木は初回から石橋の先発投手らを打ち込み、石橋の切り札の入江祥太(3年)を早々とマウンドに引きずり出した。理想的なスタートにみえた。

 だが、勢いが続かない。快進撃を支えたエースの鶴見飛龍(ひりゅう)(3年)は「調子はよくなかったが気持ちで投げた」と踏ん張ったが、石橋を大きく突き放せず、守りの乱れもあって逆転された。1年生の時に甲子園を経験した主将の高橋心春空(こはく)(3年)は「後輩たちを甲子園に連れていきたかった。自分の力不足」と悔しがった。

 それでもチーム伝統の機動力と攻撃力は、今年も光った。1点をリードされた最終回に盗塁を狙うなど「超攻撃的野球」(高橋)を最後まで貫いた。

 救援で力投した椿(つばき)秀太(3年)は「今年は140キロ後半の速球を投げる投手やホームラン打者がいるわけではない。でも全員で打ち勝つ野球をやってきた。それでここまで勝てた」と胸を張った。甲子園への返り咲きは逃したが、攻める野球のチームカラーはしっかりと引き継がれた。(津布楽洋一)