【スーパー耐久・STXクラス】クラフトバンブー、参戦2戦目で見事V  太田格之進「100点の仕事ができた」胸張る

AI要約

STXクラスのクラフトバンブーで、太田格之進が初優勝を達成。

太田はプロ選手としてチームをけん引し、将来の海外レース挑戦を目指す。

チームは過去の苦戦から立ち直り、今後のレースでも勝利を目指す。

【スーパー耐久・STXクラス】クラフトバンブー、参戦2戦目で見事V  太田格之進「100点の仕事ができた」胸張る

◇スーパー耐久 第3戦 決勝 28日 オートポリス(大分県)

ペン=田村尚之 カメラ=多賀まりお

 STXクラスのクラフトバンブー(メルセデスAMG)で、アンカーを務めた太田格之進(25)が見事な追い上げを決め、参戦2戦目のチームに初優勝をもたらした。今季はメインで戦うスーパーフォーミュラ(SF)やスーパーGTでは未勝利。「この勝利をきっかけに」と攻勢に打って出る覚悟だ。開発車クラスのSTQクラスを戦う水素エンジン搭載のルーキー32号車(トヨタGRカローラH2)はトラブル続きでチェッカーを受けられず、ほろ苦い一戦になった。 (観衆=4800人)

 初優勝の立役者となった太田が表彰台の真ん中で同僚と爽やかな笑みを浮かべる。「ラッキーもあったが、チームはやるべきことをやった。自分は予選から速さを見せられ、100点の仕事ができたと思う」。香港に本拠を構える海外チームにたった一人で飛び込み、わずか2戦で結果を導き出した。

 予選でプロ担当のBドライバー最速をたたき出した勢いは決勝でも輝いた。105周に3番手でクルマを託されると、1分以上あった差を着実に削っていく。トップを走るGTネットに1周加算のペナルティーが発表され、TKRIを135周目の2コーナーで捕らえて実質首位に浮上。残り約30分は堅実な走りでゴールへ向かった。

 将来の海外レース挑戦を希望し、その準備として今回のチームに加わったという。「具体的な計画はないが、いつチャンスが来るか分からない。全員が外国人のチームで戦う経験はいい準備になる。許してくれたHRCに感謝」と太田。初陣だった前戦の富士24時間より、今大会の方がチームとのコミュケーションも良くなったという。

 チームは太田以外のドライバーが全てアマチュアで、経験の少ない選手もいるという。その環境下で唯一のプロ選手としてチームをけん引する仕事を担っており「メンバーを盛り上げるのも日本人と外国の人では違うんですよ」と新たな経験も積んだ。

 昨季最終戦で初勝利を挙げたSFは今季いまひとつで、前戦はトラブルで1周もできずじまい。「GTを含めて調子はいいけど、なんか歯車がかみ合っていない。そんな時にきょう勝てた。いい流れに持っていきたい」。来週のスーパーGT第4戦(8月4日決勝)、そして来月末のSF第5戦(同25日決勝)で勝利を取りにいく。