プロ野球後半戦史上最大級の"大混セ"を抜け出すのはどの球団? 1973年、1992年シーズンに並ぶ大激戦!

AI要約

セ・リーグは大混戦が続く中、後半戦に突入。優勝候補が不在な状況で、1位から4位までわずか0.5ゲーム差という異常事態が続いている。

歴史的なシーズンとして1992年のセ・リーグを振り返り、優勝チームの勝率や貯金の少なさを比較。混戦から抜け出すためのカギについても言及。

後半戦の戦いにおいて、本拠地問題が大きな要因となる。屋外球場での試合における選手の体力消耗や、真夏の厳しい条件下での戦いがチームの戦績に影響を与える可能性が高い。

プロ野球後半戦史上最大級の

真夏の祭典、オールスターが幕を閉じ、いよいよ後半戦に突入したプロ野球。開幕直後から順位が目まぐるしく入れ替わり、交流戦以降も大混戦が続くセ・リーグだが、果たして頭ひとつ抜け出す球団は現れるのか? 上位4球団を中心に、この先の戦いを展望する!

※成績は7月22日時点です。

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■真夏の戦いのカギを握る〝本拠地問題〟

いよいよ後半戦に突入したプロ野球では、セ・リーグの異常事態が続いている。7月15日時点で1位から4位までわずか0.5ゲーム差。オールスター前の時点でも3.5ゲーム差の超大混戦なのだ。

「ひいきチームに優勝の可能性がある状況は面白いかもしれませんが、野球の内容や質の面ではどこもパッとせず、本命不在。しっかりと戦力が整い、滑らかな野球をすれば、昨季15.5ゲーム差で優勝したオリックスや今季のソフトバンクのように独走する球団が出てくるものです」

こう語るのは、『週刊プレイボーイ』本誌おなじみの野球評論家、お股ニキ氏。お股氏は今季同様、強者不在で大混戦になったシーズンとして、1992年のセ・リーグを思い出すという。

「92年は最終的に野村克也監督率いるヤクルトが優勝しましたが、1位から4位までわずか3ゲーム差。野村ヤクルト黄金期到来の手前で、まだそこまでの強さはありませんでした」

実際、92年のヤクルトの勝率は、セ優勝チームでは歴代ワースト2位の.531。貯金はわずか8しかなかった。この勝率を下回るのは73年、巨人がV9最後の優勝を果たしたシーズンの勝率.524だ。

「私も生まれる前なので記録で知るだけですが、優勝した巨人の貯金はわずか6。全盛期の力はなく、経験の差で優勝したのでしょう。1位と2位は0.5ゲーム差。最下位までも6.5ゲーム差でした」

混戦時に抜け出すためのカギはなんなのか?

8月以降の戦いを見据える上で、お股ニキ氏はまず、「どの球場で戦うかを考慮すべき」と指摘する。上位4球団では東京ドームを本拠地とする巨人以外、3球団とも本拠地が屋外球場なのだ。

「7月19日の神宮でのヤクルト戦で、DeNAの先発であるアンドレ・ジャクソンが熱中症で緊急降板。ほかにも体調不良の選手が続出しました。

この例に漏れず、酷暑下の屋外球場は体への負担が大きく、ドームが主戦場の巨人が有利なのは明らか。巨人は8月、最終週に屋外球場が続く以外、遠征を含めてドームでの試合が中心となるため、日程面でも恵まれています」

甲子園を本拠地とする阪神はこの点で不利になるはずだが、昨季は真夏の〝死のロード〟期間を中心に京セラドームで8戦全勝。むしろドームの利を得て優勝に近づいたのは記憶に新しい。

「今季も東京ドームとバンテリンドームを含めると、8月は屋外とドームが半々。かつての〝死のロード〟という感覚はないですが、今年は残暑も厳しい予報。9月は屋外球場で連戦が続くため、過酷な戦いになるでしょう」

9月に屋外球場での試合が続くのは広島も同様。加えて、投手力が売りの球団にとって、夏は不利な季節だ。

「暑さに加え、夏休みで6連戦が続くのも厳しい。選手層の厚さと体力が試されます。今年は〝飛ばないボール〟の傾向があるとはいえ、気温の高い夏はボールが飛びやすくなるので、広島や阪神のような投手主体のチームはますます厳しい戦いになっていくはずです」