池江、パリでは涙 個人種目は準決勝敗退―競泳〔五輪〕

AI要約

池江璃花子が女子100メートルバタフライでの準決勝敗退について、自分の力を出し切れず不本意な結果だったとコメント。

病を克服し最速タイムを達成したものの、レベルには戻れず大舞台で苦しい結果に直面。

未来への目標を掲げ、努力と覚悟を持ち続けている池江璃花子の姿。

池江、パリでは涙 個人種目は準決勝敗退―競泳〔五輪〕

 タオルで顔を覆った池江は独りで現実と向き合った。

 女子100メートルバタフライ準決勝で敗退。決勝進出ぎりぎりの全体8位とは0秒86差。2大会ぶりに臨んだ五輪個人種目が不本意な結果となり、「自分の力を出し切れずに終わってしまった」と言葉を絞り出した。

 今春の五輪代表選考会準決勝で、白血病との闘病後としては自身最速の57秒03を出したものの、そこに迫るタイムを繰り返し出すレベルまでは戻せなかった。

 病を乗り越えてきた経験も糧に、自らを鼓舞していても、大舞台で突きつけられた厳しい結果。「頑張ってきたことは無駄だったのかな」と諦めたくなる自分もいる。

 リレーメンバーとして奇跡的に代表入りした東京五輪から3年。国内でも17歳の平井瑞希が台頭し、今回の準決勝突破者はトップが55秒台で、残り7人も56秒台。決勝進出ラインが57秒台中盤だった8年前とは違う次元に入った。

 2028年ロサンゼルス五輪について、メダル争いに絡むことを念頭に「(個人種目の)決勝で戦えるスイマーに戻りたい」と語ったことがある。パリを経て、壁はさらに高くなったことを痛感させられたことだろう。

 それでも、目を赤くしながら、池江は言った。「もっともっと努力していかないといけない」。今後は五輪開催間隔が「4年サイクル」に戻る。この先も本当に見たい景色を見るまで歩き続ける覚悟があれば、パリの涙は無駄にはならない。