青森山田がリードオフマン佐藤洸史郎の逆転満塁弾で2季連続の甲子園決める/青森

AI要約

青森山田が弘前学院聖愛に4-3で競り勝ち、夏の甲子園出場を決める。佐藤洸史郎外野手が逆転満塁本塁打を放ち、チームを勝利に導く。

佐藤洸は今春のセンバツでは打てず、自身の成長に苦悩。メンタルコーチの助言を受け、新しい自分を模索しながら成長している。

再び大舞台へ向かう佐藤洸は、チームとの連携を強化し、日本一を目指す意気込みを語る。

<全国高校野球青森大会:青森山田4-3弘前学院聖愛>◇22日◇決勝◇弘前市運動公園野球場(はるか夢球場)

 今春センバツ8強の青森山田が弘前学院聖愛に4-3で競り勝ち、17年以来7年ぶり12度目の夏の甲子園出場を決めた。

 2点を追う6回2死満塁、リードオフマンの佐藤洸史郎外野手(2年)が逆転満塁本塁打を放った。今春センバツ、勝負どころで打てなかった悔しさをばねに、チームを大一番で勝利に導いた。2季連続の甲子園で、目指すは全国の頂点だ。

 佐藤洸はもう下を向いてはいなかった。6回2死満塁、カウント2-2からの6球目。低めの直球を振り抜くと、左翼を見上げて1歩を踏み出した。「入ったとは思ってなくて…。スタンドからの声援が大きくて、自分もびっくりしました」。人さし指を高く突き上げ、笑顔でダイヤモンドを1周。高校通算7本目にして自身初の満塁本塁打は、チームを救う1発となった。

 今春はセンバツで4打数無安打。サヨナラ勝ちした広陵(広島)との2回戦後には控室でチームが喜び合う中、ただ1人下を向いていた。昨秋は県大会、東北大会、神宮大会の10試合で打率4割2分1厘も、センバツ直前に痛めた右肩も影響し、思うようにいかない日々が続いた。

 ある一言がきっかけとなった。6月末、野球部のメンタルコーチ前田凌汰さん(29、和歌山県立医科大学げんき開発研究所)から「前の自分に戻ろうとしすぎている」と言われた。「自分でもそうだなと思って、『あの時はあの時と忘れて、これから作っていく』とアドバイスをもらいました」。今夏は打率5割5分。まだ発展途上だが、新しい自分を見つけつつある。

 春の甲子園で誓ったことがある。「大舞台でのチャンスで、ヒットを打ってチームに貢献できるように頑張っていきたい」。その言葉を夏に体現し、再び大舞台へ。「ここまでみんなで勝ち切れたことが自信にもなる。自信を持って、日本一を目指したい」。成長を続けるリードオフマンは、頂点を見据えている。【濱本神威】

 ◆佐藤洸史郎(さとう・こうしろう)2007年(平19)4月17日生まれ。青森県中泊町出身。小学校1年時に野球を始め、中学校では青森山田リトルシニアでプレー。22年夏の日本選手権連覇に貢献した。憧れの選手はヤクルト塩見泰隆。175センチ、67キロ。右投げ右打ち。