天国の弟と戦い抜いた夏終わる 神港学園の前田凌志が涙「一緒に戦えてとてもうれしかったよ」/兵庫

AI要約

神港学園の背番号1・前田凌志投手(3年)は、涙が止まらなかった。天国の弟真吾さんとともに戦った夏が、終わった。

昨夏の7月13日付日刊スポーツ大阪版に「闘病中の弟に届け!! 前田 魂の16球」の見出しが躍った。当時2年の前田が好救援。入院中の弟に、ネット中継を通じて気迫を届けた内容だった。

4カ月後の昨年11月、真吾さんは中学2年の若さで亡くなった。肝臓がんだった。実は昨夏、勘違いしていたことがあった。「あの当時、球場に来てたんです。自分は病院にいると思っていて」。特別に外出許可をもらい、前田が登板した全3試合、スタンドに駆けつけていた。

天国の弟と戦い抜いた夏終わる 神港学園の前田凌志が涙「一緒に戦えてとてもうれしかったよ」/兵庫

<ラストカレンダー~夏の終わり~ 神港学園(兵庫)前田凌志投手(3年)>

 <高校野球兵庫大会:神戸国際大付7-4神港学園>◇22日◇5回戦◇明石トーカロ

 神港学園の背番号1・前田凌志投手(3年)は、涙が止まらなかった。天国の弟真吾さんとともに戦った夏が、終わった。

 昨夏の7月13日付日刊スポーツ大阪版に「闘病中の弟に届け!! 前田 魂の16球」の見出しが躍った。当時2年の前田が好救援。入院中の弟に、ネット中継を通じて気迫を届けた内容だった。

 4カ月後の昨年11月、真吾さんは中学2年の若さで亡くなった。肝臓がんだった。実は昨夏、勘違いしていたことがあった。「あの当時、球場に来てたんです。自分は病院にいると思っていて」。特別に外出許可をもらい、前田が登板した全3試合、スタンドに駆けつけていた。

 今夏の大会が始まる前、身近に感じられるように帽子のつばに名前から1文字をとって「真」と記した。「弟と一緒に戦いたかった。2人で1つだった。心強かった」。姿はなくとも、そばにいてくれた。

 2試合で救援し、無失点。この日の登板はなかったが、最後までベンチで声を張り上げた。「チームのみんなと最後まで楽しくできたので、弟も天国で喜んでいると思う」。投手のリーダーとして戦い抜いた。「一緒に戦えてとてもうれしかったよ」。天国へ、そう感謝を伝えた。【林亮佑】