広島に2戦連続ゼロ敗、寂しそうな阪神・岡田監督を見て思い出した…ダイエーホークス1年目の田淵監督「なぁ、もっと選手を新聞で厳しく叩いてくれないか」

AI要約

岡田監督のユニフォームや采配についてのコラム。最近の試合結果や監督のコメントも挙げられている。

田淵監督の苦しい時期と対比しつつ、岡田監督の指導方針や選手への期待について述べられている。

最近の試合結果や打線の改善による球団の状況などが紹介されている。

広島に2戦連続ゼロ敗、寂しそうな阪神・岡田監督を見て思い出した…ダイエーホークス1年目の田淵監督「なぁ、もっと選手を新聞で厳しく叩いてくれないか」

◇コラム「田所龍一の岡田監督『アレやコレ』」

 甲子園球場の芝の色を表わした「緑」のユニホーム。胸には黄色で「Tigers」。ことしの《ウル虎の夏》のユニホームは「甲子園100周年」記念バージョン。襟と袖、脇の下には「100」と未来へつながる「∞」がデザインされたラインが入っている。

 虎ファンはありがたい。甲子園で広島戦に6連敗―というのにスタンドは4万2609人の大観衆。20日の広島戦で2試合連続零封負けした阪神・岡田監督の言葉には「怒り」より「寂しさ」を感じた。

「何もない。何も言うことないよ、ほんまに。言葉がないわ」といっても、こんなときほど岡田監督は話したくてたまらないのだ。「取れるところで点が取れてない? そんなん、オレに言われてもなぁ。ずっと、もう何百回も言うてることやんか。チャンスで回ってきた選手が打つしかないやん。プロなんやから『惜しかった』なんてない。『頑張ってます』もない。高校野球と違うんやから」

 プロは結果がすべて―と言いたかったのだろう。実はそんな岡田監督を見ていて、ふと、34年前の1990年、ダイエーホークス監督1年目の田淵幸一監督のことを思い出した。

 1年目41勝85敗4分け。首位西武に「40」ゲーム差、5位ロッテに「15」ゲーム差をつけられる大最下位。開幕の4月は3勝12敗1分け。5月にも9連敗…。ある日、監督が担当記者の筆者にこう言ってきた。

 「なぁ、もっと選手を新聞で厳しく叩いてくれないか。オレは阪神時代、打てないときにはボロクソに新聞で叩かれた。腹も立った。でも、その時の“なにくそ!”という思いが役にたった。いまのウチにはその怒りが必要だと思う」

 「監督、気持ちはわかります。でもね、いまのホークスでは負けると記事はなし。まずはタイガースのように負けても記事のスペースがもらえる人気球団にならないと…」

 「そうかぁ、阪神の選手は幸せやな」。田淵監督の最後の言葉がいまも心に残っている。

 21日、選手たちはまさに“ウル虎”戦士になった。岡田監督が言葉をなくすほど繋がらなかった打線がタイムリーの連発で13安打12得点。思わず「3試合に振り分けよ!」と言いたくなる。岡田監督の思いも同じ。思わず「そう思う」と笑った。

 「ミスしたら負ける。点も入らへん。返す場面に来たら、最初の人が返す。そしたら後ろも繋がって点を取れる―ということやんか」

これで前半戦終了。43勝42敗5分け。この打線の調子で貯金「1」。ようやってる方や―と思いません?