柔道金鷲旗男子・福岡大大濠「二枚看板」で半世紀ぶりVへ「チームの力を証明するラストチャンス」【連載「武道の花」①】

AI要約

福岡大大濠が金鷲旗奪還に挑む56年ぶりのチャンス。主将の森元と大将の竹下が闘志を燃やす。

森元は団体戦での未締め感をバネに、竹下は頂点を目指して技の切れを武器にする意欲が満ちている。

金鷲旗・玉竜旗高校柔剣道大会が開幕し、九州の有力チームが熱戦を誓う。

柔道金鷲旗男子・福岡大大濠「二枚看板」で半世紀ぶりVへ「チームの力を証明するラストチャンス」【連載「武道の花」①】

 強力な「二枚看板」を誇る伝統校が実に56年ぶりの金鷲旗奪還に挑む。

 今春の全国選手権で、福岡大大濠は優勝候補の東海大相模(神奈川)を3回戦で破るなど躍進。3位に輝いた。1968年以来の栄冠が懸かる金鷲旗。主将で副将の森元壮琉(3年)は「自分が仕留めて勝つ」と闘志を燃やしている。

 福岡県田川市出身の森元は7歳で柔道を始めた。同県嘉麻市の山田中を経て福岡大大濠に進み、得意の大外刈りを磨いて成長した。最終学年の今季は福岡県大会、九州大会、九州ジュニア体重別選手権の個人100キロ超級を全て制している。だが団体では県大会決勝で大牟田に敗れ、全国総体出場を逃した。森元は「〝あと一つ〟への執念が足りなかった。金鷲旗がチームの力を証明できるラストチャンス」と決意を語る。

 もう1人の看板、2年生大将の竹下智哉は同県大牟田市出身。6歳から同市の本吉塾で稽古を重ね、同県久留米市の強豪田主丸中3年時には全国中学校大会90キロ級で準優勝した。九州大会と九州ジュニアはいずれも100キロ級2位。内股と袖釣り込み腰が得意で、福龍太郎監督に「技の切れはここ十数年見た選手の中で一、二を争う」と評される竹下は「2位はもういらない。優勝して〝忘れ物〟を取りにいく」と頂点への渇望を隠さない。

 前回大会は優勝した埼玉栄に敗れて16強。中堅の森元は相手次鋒にポイント差で敗れ、大将の竹下は副将に引き分けた。森元は「去年は自分が勝っていれば結果が違った。今年こそ1番を取り、自分たちにはまだまだ上があると見せつけたい」と気迫をみなぎらせた。(山崎清文)

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 武道に青春を燃やす全国の高校生が伝統の大旗を目指す金鷲旗・玉竜旗高校柔剣道大会(西日本新聞社など主催)が22日、福岡市の照葉積水ハウスアリーナで開幕する。パリ五輪にも負けない熱闘を誓う地元九州の有力チームを紹介する。