なでしこ主将・熊谷紗希 苦悩と我慢の日々乗り越え…金メダルへの改革

AI要約

熊谷紗希選手がなでしこジャパンの苦しい時期を経験し、キャプテンとしてチームに再度活力を与えることを誓う。

熊谷選手は海外経験を活かし、日本選手たちに海外での競技レベルや求められることを伝える。

女子サッカーの成長を感じる熊谷選手は、自分が生きていく術を見つけることの重要性を語る。

なでしこ主将・熊谷紗希 苦悩と我慢の日々乗り越え…金メダルへの改革

 熱く盛り上がる女子サッカー。2011年のW杯で世界一、そして翌年のロンドン五輪で銀メダルを獲得しましたが、その後、苦しい時期を迎えています。

 なでしこジャパンの栄光、挫折、すべてを経験しているのが熊谷紗希選手(33)です。彼女が、キャプテンとして伝えている“あること”とは?

 13日に行われた、パリ五輪前国内最後の強化試合。日本はガーナに大量4得点と快勝。試合後には、自信に満ちた表情の熊谷選手がいました。

熊谷選手

「チーム力だけだったら世界一。メチャクチャたくましい人たちの集まりなので」

松岡修造さん

「たくましいですか。海外組も増えて」

熊谷選手

「まだ海外に行ってない選手ですら、たくましいです」

 しかし、この「たくましさ」を得るまでには、苦悩と我慢の日々がありました。

 2016年、リオ五輪出場をかけたアジア最終予選。日本はW杯で世界一を経験したメンバーをそろえるなか、まさかの予選敗退を喫しました。

熊谷選手

「あそこから、苦しい時期が始まったなというか。監督も選手も変わって。新生なでしこジャパンになった時、勝てないことも多かったですし、見てくれる方も離れていく、テレビでも放映されなくなる。苦しい時間はすごくあった。日本の女子サッカーには大きな打撃だった」

 熊谷選手がキャプテンを任されたのは2017年。世代交代の中で、意識を変えていく必要がありました。

熊谷選手

「私はずっと若い選手たちに言い続けていましたけど、国際試合で相手に対して“こんなにできるんだ”っていう衝撃って、次いつチャレンジできるのかといったら、次の国際試合になる。その国際試合まで自分が戦っている世界は、対日本人。私は、決して海外に出ることが偉いとか、それが正解と言うつもりはなくて。“海外という道もある”ことを日本の選手たちに知ってほしかった」

 13年間、海外でプレーし続けている熊谷選手。ヨーロッパの最強クラブを決める女子CL(チャンピオンズリーグ)ではなんと、5連覇という偉業も達成しています。

 そこで熊谷選手が見た光景は、日本とはあまりに違うものでした。2022年の女子欧州CL準決勝・バルセロナ対ボルフスブルクに詰めかけたファンの数は、なんと9万1648人にも上りました。

熊谷選手

「観る人が求めるレベルも絶対上がってくる。日本ではやらないことも、実際求められる。自分が出るために何をしなきゃいけないかと考えた時に、一番は、その状況で自分が生きていく術を見つけないといけない」