尚弥戦前座で超好カード実現 武居VS比嘉だけで「有明は満員」、大橋会長「ドームでできる興行」

AI要約

ボクシングの世界スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥(大橋)が9月3日に元IBF世界同級王者TJ・ドヘニーとの4団体防衛戦を行うことが発表された。

WBO世界バンタム級王者・武居由樹と同級1位・比嘉大吾の初防衛戦も行われ、見所満載のカードとなっている。

比嘉は強敵との激突を歓迎し、必勝を誓い、王座奪取への責任感を述べている。

尚弥戦前座で超好カード実現 武居VS比嘉だけで「有明は満員」、大橋会長「ドームでできる興行」

 ボクシングの世界スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥(大橋)が16日、都内で会見し、9月3日に東京・有明アリーナで元IBF世界同級王者TJ・ドヘニー(アイルランド)と4団体防衛戦を行うと発表した。セミファイナルでは、WBO世界バンタム級王者・武居由樹(大橋)が同級1位・比嘉大吾(志成)と初防衛戦を実施。メインイベント級の超好カードが組まれ、両者とも牙を尖らせた。NTTドコモの映像配信サービス「Lemino」で独占無料生配信。戦績は28歳の武居が9勝(8KO)、28歳の比嘉が21勝(19KO)2敗1分け。

 好戦的なパンチャー同士の激突となる。武居は先輩の井上と会見に出席。「客観的に見ても面白そうなカード。聞いた時からワクワクしています。緊張感を持ってバチバチで行きたい」と強敵を歓迎した。「ガンガン前に出てきて気持ちも強いハードパンチャーのイメージ。どちらに転んでも早めに終わると思う。得意の土俵に引きづり込んだ方が勝つ。バチっとKOしたい」と宣言した。

 育ての父として慕う格闘技ジム「POWER OF DREAM」の古川誠一会長と二人三脚でK-1世界王者に。大橋ジムでボクシング転向後は、元世界3階級制覇王者・八重樫東トレーナーに師事し、2021年3月にボクシングデビューした。8勝(8KO)のパーフェクトレコードで5月の東京ドーム興行で世界挑戦。井上の前座でジェイソン・マロニー(オーストラリア)に判定勝ちし、涙の王座奪取を果たした。

 王者になって迎える井上とのダブル世界戦。「感慨深いです。ポスターでも尚弥さんと並んで写るのを見て『あ~』と感じるし、責任も感じます。絶対に落とせない」。比嘉が師事する野木丈司トレーナーの階段トレーニングに参加し、1学年上の比嘉とも親交がある。「マロニー戦の前も『絶対に獲って来いよ』と言ってくださった」と明かした。ただ、リングでは譲るつもりはない。

「危ない相手が来たなと思います。感謝を持ってKOしたい。過去にスパーリングを1度やったこともあります。前に出てきて気持ちも強いし、小回りが利いて速いイメージ。パンチも勢いもあった。でも、互いに成長しているのであまり参考にはならないかなと」

 初防衛戦はどんな選手にも鬼門とされるが、K-1時代に経験済み。「初防衛戦にあるのは、王者になって気が緩むこと。それはない。4団体あって他に王者がいるので、気を緩める立ち場じゃない」。前回は試合前に井上とスパー。「ボコボコ」にされた。今回は同様に拳を交えるのか聞かれ、「何もなく試合を迎えたいです。得るものもたくさんあるけど、失うものもたくさんあるので」と苦笑いした。

 指導する八重樫トレーナーも比嘉について「突破力のある選手。武居の距離、独特のタイミングを突破された時にどうなるのかだと思います」と警戒した。バンタム級は武居のほか、WBAに同じ大橋ジムの井上拓真、WBCに中谷潤人、IBFに西田凌佑が就き、全4つの王座を日本人が保持。前日本王者・堤聖也や那須川天心も同級で世界王座を見据え、熾烈なサバイバルが続く。