挑戦者比嘉大吾は元世界王者15連続KOも WBOバンタム級王者の武居由樹は「短期決着」予想

AI要約

プロボクシングWBO世界バンタム級王者武居由樹が、KO率8割の強打者対決に「短期決着」を予想している。

比嘉大吾との初防衛戦の発表会見が行われ、両選手の強打率やスパーリング経験について語られた。

武居は初防衛戦に対する緊張感を持ち続けており、世界ベルトを腰に巻いたままでもチャレンジャーとしての心構えを忘れていない。

 プロボクシングWBO世界バンタム級王者武居由樹(28=大橋)が、KO率8割の強打者対決に「短期決着」を予想した。

 同級1位比嘉大吾(28=志成)との初防衛戦(9月3日、東京・有明アリーナ)の発表会見が16日、都内で行われた。

 9戦9勝(8KO)のKO率88・8%の武居に対して、元WBC世界フライ級王者の比嘉は15連続KOを含む21勝中19KO(2敗1分け)のKO率79%を誇る。「どっちに転んでも早めに終わると思う。いい意味でも悪い意味でもかみ合う。どっちの土俵に引きずり込むか。引きずり込んだ方が勝つんだろうと思う。客観的に見て面白いカード。ワクワクしている」と武居は対戦を待望した。

 比嘉とは一緒に練習したことがある。スパーリングでも「随分前に1回だけ」拳を交えたことがあるが「大吾さんはガンガン前に出る強い気持ちがある。パンチもあった。出入りの早いスピードがある。でも、そこからお互い成長しているので参考にはならない」。

 今年5月に東京ドームでジェーソン・モロニー(オーストラリア)を判定で下して世界王座を獲得。日本人で初めてK-1王座とボクシング世界王座を両方奪取する快挙を成し遂げた。その試合前に比嘉から「絶対に(ベルトを)取ってこい」と激励されたという。ボクサーとしては「危険な相手」と認識しているが、人間としては「優しい方」と敬意を持っている。

 世界王者にとって初防衛戦は『鬼門』と言われる。念願のベルトを腰に巻いた後の気の緩みや、重圧などが要因として挙げられるが、武居にその心配はない。「気が緩むことはない。4団体の一つのベルトは取れたけど、ほかの人(日本人王者3人)がまだ上にいると思っているので、世界王者になってからもずっと緊張感もっています」。

 世界のベルトを腰に巻いた武居のハートは、今もチャレンジャーのままだ。【首藤正徳】