【MLB】 2024MLBドラフト展望 全体1位最有力の2人は低評価を覆した苦労人 一般入部の大砲コンドン、オーストラリア生まれのバザーナ

AI要約

2024年のMLBドラフトは不作と評価されるが、注目の若手才能が存在する。

一方、高校時代の低評価を克服したプレーヤーやオーストラリア出身の期待の新星も登場している。

コンドンとバザーナの成長物語や、彼らのMLB入団に向けた歩みが明かされている。

【MLB】 2024MLBドラフト展望 全体1位最有力の2人は低評価を覆した苦労人 一般入部の大砲コンドン、オーストラリア生まれのバザーナ

 日本時間7月15日(月曜日)の朝8時から、2024年のMLBドラフトがスタートする。今季のドラフトクラスは不作と評価されることが多く、飛び抜けた候補は不在。ドラフト直前となっても主要メディアのモックドラフト(予想ドラフト)は変動が多く、誰が全体1位指名されるかは蓋を開けてみなければ分からない状態だ。

 オールスターの先発に選ばれたポール・スキーンズらを輩出し、豊作と評価された昨季のドラフトと比べると、今季のドラフトは不作だ。特に最上位層(ティア1)はともかく、それより下の選手たちはやや小粒。ノーラン・シャニュエル(エンゼルス)やハーストン・ウォルドレップ(ブレーブス)ら、最上位以外からもヒットが飛び出した昨季ドラフトほどの盛り上がりは見せないかもしれない。

 しかし、ドラフト最上位層には依然、興味深い才能が揃っている。今ドラフトでトップ2の評価を受けるのが、米大学球界の本塁打記録を塗り替えたチャーリー・コンドン外野手とオーストラリア出身のトラビス・バザーナ内野手だ。中学時代から高い評価を受けてきたエリートもいる中、この2人は低評価をバネに這い上がった“雑草”と言っても良い経歴を持つ。

 コンドンは高校時代の低評価を乗り越えた“苦労人”スラッガーだ。強豪大の有望な新入生はスカウトを受けて奨学金オファーをもらって入部するのが当たり前。しかし、コンドンはトライアウトを受けて入部した一般入部生(いわゆる“ウォーク・オン”)だ。

 強豪ジョージア大でコンドンはその才能を開花させ、ドラフトイヤーの今季はNCAA(全米大学体育協会)の記録を破る37本塁打をマーク。今年のゴールデン・スパイクス賞(大学球界のシーズンMVP)に選ばれ、一躍全体1位指名の最有力候補となった。

 バザーナは史上最高のオーストラリア人選手となる可能性を秘めた好打者だ。身長183センチと小柄ながらその打撃センスは抜群。今季はドライブラインに通った成果か、28本塁打と自己最多を大きく更新するなどパワーも成長した。

 通常オーストラリアのアマチュア選手は16歳になってから国際FAでMLBに挑戦する場合が多い。しかし、バザーナが16歳の時に得たオファーはわずか10万ドル程度。バザーナはオーストラリアに残って米大学に進学してMLBに挑戦することを決意し、野球のみならず勉学にも打ち込んだ。猛勉強の末、米大学進学に必要なテスト(SAT)で上位7%の好成績を収め、強豪オレゴン州立大学に進学。大学通算3シーズンで打率.360、OPS1.157を記録したバザーナは、今ドラフトで16歳の時にオファーされた100倍近い契約金を手にすると予想されている