【川上憲伸の目】中日に零封負けの阪神は「クリーンアップにもうひと工夫が必要だった」4回1死二、三塁で三振の大山は「らしくない強引さ見られた」

AI要約

阪神が中日に3-0で敗れ、4連勝をストップさせられた。村上の失点から始まり、打線も高橋宏に抑えられ3安打に抑えられた。

阪神は2度走者を得点圏に置くも大山らが外角の変化球に苦しんで得点できず、特に大山の打撃不振が顕著。

川上憲伸は打者にセンターから逆方向への意識を持つことが重要であり、大山の強引なプレーに苦言を呈した。

【川上憲伸の目】中日に零封負けの阪神は「クリーンアップにもうひと工夫が必要だった」4回1死二、三塁で三振の大山は「らしくない強引さ見られた」

【川上憲伸の目】◇12日 中日3―0阪神(バンテリンドームナゴヤ)

 4連勝で敵地に乗り込んできた阪神が、3連敗していた中日に零封負けを喫した。先発の村上が2回に福永と高橋周の連続二塁打で先制され、さらに細川の10号2ランで3点を先行された。打線は高橋宏の前にわずか3安打。9回のマルティネスを合わせると、7イニングが三者凡退だった。

 ラジオ解説を務めた本紙評論家の川上憲伸さんは「高橋宏が良すぎたことに尽きるが、クリーンアップにもうひと工夫が必要だった。コンタクトできる方法はあったと思う」と話した。

 阪神にチャンスがなかったわけではない。中盤および終盤と2度、得点圏に走者を置いている。最初は4回。先頭の近本が四球を選ぶと、次の中野が一、二塁間への内野安打で無死一、二塁とした。ここで3番の前川はボテボテの投ゴロだったが、走者は進んだ。1死二、三塁で打者は4番の大山。高橋宏にはこの日最速の157キロのストレートで簡単に追い込まれたが、そこからファウルで粘り、2ボール2ストライクの並行カウントに持ち込んだ。しかし、最後は低めのスプリットに空振り三振。外野フライか内野ゴロでも得点できたケースで何も起こせない三振である。続く佐藤輝も大山同様、スプリットに空を切った。

 「投手の立場から見ると外角ストレートが多かったから、大山は左足を踏み込んで向かってきているのが分かります。そこでセンターから逆方向への意識があれば良いと思うんですが、らしくない強引さが見られました。引っ張り込んでしまっている。それに、外角の変化球を見極められていません」

 大山は高橋宏に対してカットボールにファーストフライ、スプリットに空振り三振、カーブを引っ掛けたサードゴロに終わった。9回はマルティネスのフォークをセカンドフライ。4打数ノーヒットで、打率は2割1分4厘と低空飛行を続け、上昇気配を示せない。