劇的サヨナラ続きで球団の看板イベントに4年にわたり10連勝、とにかく負けないDeNAの星の夜を支える神通力

AI要約

DeNAは中日戦で逆転サヨナラ勝ちを飾り、3連勝で2位に浮上。横濱スターナイトというイベント限定のユニフォームを着用し、劇的な勝利を収めた。

主将の牧秀悟が同点二塁打を放ち、延長戦の末に10回に京田陽太がサヨナラ打を決める。今季最多の5試合差をつけ、巨人との首位争いに臨む。

Star☆Nightは球団が毎年行うイベントで、特別デザインのユニホームを着用。横浜をモチーフに見事なデザインが話題となっている。

劇的サヨナラ続きで球団の看板イベントに4年にわたり10連勝、とにかく負けないDeNAの星の夜を支える神通力

 これ以上劇的な、決戦へ弾みのつく白星もそうそうない。DeNAは7月11日、中日戦に逆転サヨナラ勝ちを飾った。1点ビハインドの9回2死一塁、あとアウト一つで敗戦という窮地で、主将の牧秀悟が値千金の同点二塁打。延長戦へと持ち込み、10回に京田陽太が自身プロ初のサヨナラ打で試合を決めた。

 中日相手の同一カード3連戦に3連勝。貯金を今季最多5に積み上げ、試合のなかった阪神を抜いて2位に浮上した。12日からはゲーム差なし、勝率1厘差に迫った巨人との首位攻防3連戦に臨む。

 9日の初戦に続いて、この3連戦2度目のサヨナラ勝ちとなった。注目すべきはこの3連戦が「横濱スターナイト」として開催されていたこと。同シリーズはこれで2021年から10連勝となった。見えない何かを感じさせる、劇的勝利が今年も続いた。

 「YOKOHAMA STAR☆NIGHT」は、2012年の球団初年度から実施されているイベントだ。2013年からは毎年、イベント限定のスペシャルユニホームを作製し、来場者全員にプレゼント。「一人ひとりが星のように輝いてチームも、街も元気になる」をコンセプトに、今年は横浜港付近がモデルとされる葛飾北斎の代表作「冨獄三十六景 神奈川沖浪裏」をオマージュしたデザインや漢字を入れ込むことで、ド派手なユニホームが完成した。

 昨年は横浜スタジアムや選手の形をした星座を散りばめた、横浜の夜空をイメージ。一昨年はプロ野球史上初となる襟付き開襟シャツ型となり、街の象徴的なモチーフを入れ込んだ「横浜の夏」を感じるデザインで、どちらも話題を呼んだ。

 難敵を攻略した牧はお立ち台でこう明かした。

「なかなか点を取れるピッチャーではないので。本当に無我夢中で打ちにいって、TA(タイラー・オースティン)がフォアボール選んでくれて、直人(知野)があそこからホームに帰ってくれたので。チームで取った1点じゃないかなと思います」

 前を打つオースティンはカウント2-2と追い込まれながら、2球スプリットを見送って四球で出塁していた。2死から右翼フェンス直撃の当たりで、一塁走者の代走・知野は一心不乱にホームに駆け込んだ。牧の言う通り、チームの力が総結集した同点劇だった。

「プロ初のサヨナラヒットなので。すごくうれしいです。佐野と戸柱さんがつないでくれて、何とかバットに当たれば事が起きるかなと食らいついた結果、いいところに落ちてくれたので。日頃の行いがいいのかなと思います」

 試合を決めた京田は、お立ち台で牧の隣でそう笑いを誘った。球団の看板イベントでもあるSTAR☆NIGHTを最高の形で締めくくり、東京ドームへ殴り込む。今季最高の上昇気流に乗って、前半戦最大のヤマ場を迎える。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]