“野球一筋”から障がい児支援へ… 元ロッテ内野手が福祉事業を立ち上げたワケ

AI要約

生山裕人さんはロッテで4年間プレーした後、障がいのある子どもたちを支援するデイサービスを運営している。

姪っ子のダウン症がきっかけで福祉事業の道に進むことを決意し、兄妹で放課後等デイサービスを立ち上げる。

現在、子どもたちにビジョントレーニングを提供し、健能な子どもたちとの違いを乗り越える達成感を味わっている。

“野球一筋”から障がい児支援へ… 元ロッテ内野手が福祉事業を立ち上げたワケ

 2009年から4年間ロッテに在籍した生山裕人さんは現在、滋賀県大津市で障がいのある子どもたちを支援する放課後等デイサービス「シーズステップ」を運営している。昨年10月のオープンから半年以上。現役引退後には独立リーグのコーチを務めるなどした“野球人”はなぜ、異業種でもある福祉事業の道に進んだのだろうか。

 キッカケは、ダウン症の姪っ子だった。「姪っ子が小学生になるにあたって、母である僕の妹が『放デイ(放課後等デイサービス)の選択肢が少ないから、身近なママ友や自分の想いを形にした放デイをつくりたい』と。僕も元々小学校か幼稚園の先生になりたいくらい子どもが好きなので、やろうと即答しました」。2020年、兄妹の構想の始まりだった。 

 現在通っているのは、小1から小5までの子どもたち。平日は放課後、休日は1日中預かり、ビジョントレーニングを通じた療育を行っている。“代表”という立場ではあるものの、現場にも立つ生山さんは「健常児と比較すると、うちに通う子どもたちはできないことや苦手なことも多いです。だからこそ、半年で明らかに変わっていく、その喜びがとても分かりやすいです」とやりがいを口にする。

 福祉業界は働き手不足で苦労している会社も多い。どうしても自らを押し殺して奉仕するようなイメージで捉えられることもある。だからこそ「我々が一番元気で楽しんでいないと、いい“気”は提供できない。心身の健康があって初めて子どもたちにエネルギーを与えられて、子どもたちからエネルギーをもらえ、健やかな気が循環すると思うんです」。いかにスタッフが生き生きと働ける環境づくりができるかを考え続けている。

「シーズステップ」では、生山さんの独立リーグ時代の教え子も働いている。元々小、中、高校の教員免許を持っていたが、現役引退後に療育の勉強などに励み、福祉の道へ。新たなキャリアの“受け皿”にもなっている。